派遣の契約期間はどうする?3年ルールと回避する4つの方法も解説

派遣受け入れを実施する場合、契約期間について考慮する必要があります。この記事では、派遣の契約期間において重要な3年ルールの詳細や、3年ルールを回避する方法について解説します。派遣の契約期間に関する注意点についても解説するので、派遣の受け入れを検討している企業の担当者は参考にしてみてください。

派遣とは

派遣とは働き方の一つです。人材派遣会社と雇用契約を交わして、派遣先となる企業で働く人を指します。実際に働くのは派遣先の企業ですが、雇用主は雇用契約を交わす人材派遣会社です。そのため、給与の支払いや社会保険、福利厚生や契約の更新などは、人材派遣会社が担当します。

派遣の契約期間とは

人材派遣会社と派遣社員の間には、一定期間を派遣先企業で勤務する契約が交わされます。この際に契約で示される期間が、派遣の契約期間です。

これは、派遣社員が業務を放棄したり、出社しなくなったりすることを防ぐために用いられます。期間を区切るのは、正社員との相違点の一つです。

派遣の契約期間は31日以上必要

派遣の契約期間には、最低でも31日以上かつ、週20時間以上の労働時間が必要となります。上記の規定は、労働者派遣法によって定められています。

期間が31日以上である理由は、主に二つです。一つは、派遣先企業が、派遣社員の勤務態度などを確認するためです。もう一つが、派遣社員が派遣先企業の環境や業務内容などを把握するのに役立ちます。

そのため、最初に契約する際は、1か月か3か月を期間とすることが一般的です。双方にとって問題がなく、長期契約に移った場合は、3か月か6か月ごとの更新に変わることが多くあります。

※参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 | e-Gov法令検索

派遣契約期間で重要な「3年ルール」とは

派遣社員を受け入れられる期間には上限があります。具体的には、派遣先企業において、同じ部署で受け入れ可能な期間は、最長でも3年です。そのため、派遣契約においては3年ルールという通称で用いられています。

2015年から実施された労働者派遣法改正により、全ての業種で上記の期間が定められました。なお、2015年より以前は、専門的な技能を必要とされる26業種は適用外でした。

「3年ルール」の対象外となる派遣

いわゆる3年ルールは、基本的に全ての業種が対象となっています。しかし、一定の条件を満たすと対象外となります。具体的な条件は以下のとおりです。

  • 派遣元事業主から無期雇用されている
  • 年齢が60歳以上である
  • 一定期間内に完了する有期プロジェクト業務に携わっている
  • 日数限定業務に携わっている
  • 産前産後休業・育児休業・介護休業などを取得する人員の業務に携わっている

※参考:派遣社員を受け入れるときの主なポイント|厚生労働省 都道府県労働局

「3年ルール」に違反した場合

3年ルールに違反した場合は、労働契約申込みみなし制度の対象になる可能性があります。労働契約申込みみなし制度とは、企業が派遣社員に対して、直接雇用を申し込んだという扱いになることです。

そして、上記の状態で派遣社員が企業に対して直接雇用を希望した場合、企業には雇用義務が生じます。なお、企業が3年ルールに違反していると、行政処分の対象になったり、企業名を公表されたりする場合もあります。

「3年ルール」を回避する4つの方法

3年ルールは回避可能です。3年ルールを回避する代表的な方法は、下記の4つです。

所属する部署を変える

所属する部署を変えることが、3年ルールを回避する方法として挙げられます。3年ルールは、一つの事業所の特定の部署に、3年以上就業している場合に適用されるからです。

そのため、別の部署に移動してもらえば、3年を超えても勤務することができます。しかし、事業所単位の期間制限を、延長する手続きが必要になります。業務内容が以前と同じだったり、契約延長を目的として部署を移動させたりするだけでは、労働者派遣法違反になるからです。

派遣会社に「無期雇用化」を相談してみる

派遣企業が派遣社員を無期雇用すれば、3年ルールの対象外となります。この際、派遣社員だけではなく、派遣会社からの了承も必要です。なお、派遣会社が派遣社員と無期雇用契約している状態は、常用型派遣と呼ばれます。しかし、派遣会社によっては無期雇用契約に関する取扱いがない可能性もあるため、注意しましょう。

直接雇用に切り替える

派遣社員を直接雇用に切り替えるのも、3年ルールを回避するための一つの方法です。継続的に働いている派遣社員は、業務内容を理解していて一定のノウハウも持っています。そのため、人材確保や育成コストなどの面でもメリットがあります。

上記のメリットを強みとしているのが、あらかじめ直接雇用への切り替えを想定している、紹介予定派遣と呼ばれる派遣形態です。

「クーリング期間」を設ける

3年ルールを回避する方法として、クーリング期間を設けることが挙げられます。3年が経過したタイミングで一旦派遣社員の契約を終了し、3か月と1日のクーリング期間が経過すれば、元の派遣先での勤務が可能となります。

しかし、あまり現実的ではないため、この手段は取られにくいのが実情です。派遣社員からすると、有給休暇がリセットされたり、クーリング期間は収入がなくなったりなど、デメリットが多くあります。

また、企業側にとっても不確定要素が多く、よい方法とはいえません。クーリング期間が終わった後に、再度契約してくれるとは限らないからです。

派遣の契約更新・契約終了の流れ

派遣の契約更新・契約終了の流れについて解説します。以下が、それぞれの詳細です。

派遣契約期間を更新する場合

派遣契約期間を更新する場合、派遣先企業が約1か月前に告知することが一般的です。また、実際に派遣契約期間を更新するには条件があります。

具体的には、派遣先の企業と、派遣会社・社員の三者の合意が必要です。いずれかが更新を拒否した場合は、派遣契約期間は更新されず終了となります。

派遣契約期間を終了する場合

派遣契約を終了する場合も、更新と同様に約1か月前に告知することが一般的です。なお、30日前までの告知が、義務となる場合もあります。義務となる条件は、以下のどちらかに該当している場合です。

  • 派遣契約が1年以上継続している
  • 3回以上契約更新をしている

契約終了には、契約更新と同様に三者の合意が必要です。上記の条件に該当していなくても、約1か月前には告知するべきです。

派遣の契約期間に関する注意点

派遣の契約期間には注意するべき点もあります。ここからは、具体的な注意点とそれぞれの詳細を解説します。

派遣先企業の都合のみで契約期間の変更はできない

派遣先企業の都合だけでは、契約期間の変更はできません。契約で定めた期間を変更したい場合は、派遣会社と派遣社員それぞれの同意も必要です。

また、派遣先企業の都合によって、契約で定めた期間を全うせずに契約解除となる場合は、派遣先企業に一定の義務が発生します。例えば、派遣社員の次の就業先を確保したり、休業手当を支給したりするなどです。

派遣社員側の都合での途中退職は可能な場合がある

基本的に、契約で定めた期間が終わるまでは途中退職ができません。しかし、契約の形態が有期雇用であり、1年以上の期間が経過している場合は途中退職が可能です。

また、1年以上の期間が経過していなくても、やむを得ない事情だと認められれば途中退職できます。例えば、本人の体調不良や家庭の事情などが該当します。

まとめ

派遣の概要や派遣の契約期間の詳細、派遣契約期間で重要な3年ルールや、契約更新・解除の流れ、派遣の契約期間に関する注意点などを解説してきました。

派遣は、人材確保の手段として有効であり、適切に活用できれば業務の効率改善や企業の発展にも繋がります。

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