派遣会社のマージン率の平均は?算出する方法やマージン率の内訳を解説
人員不足によって自社の業務が滞っている場合や業務スキルを持った人材を確保したい場合に、派遣はよく活用されています。ただし、派遣を依頼する派遣会社を選ぶ際には「マージン率」にも気をつける必要があります。この記事では、派遣会社のマージン率の概要や平均などについて解説しています。マージン率の算出方法や派遣会社の選び方なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
派遣会社のマージン率とは
派遣会社のマージン率とは、派遣会社が、派遣先企業に派遣労働者を派遣して得られる「派遣料金」のなかで、「紹介手数料=マージン」が占める割合です。マージン率には、上限や下限は決められていないため、派遣会社や業界によって異なります。
派遣会社が得るマージンは、すべてが利益になるわけではありません。従業員の社会保険料や福利厚生費、教育訓練にかかる費用などのために必要な資金となるため、マージン率があまりにも低いと十分な運営ができていない可能性があります。
派遣会社のマージン率の平均
派遣会社のマージン率の一般的な平均値は、20%~30%です。ただし、業界や職種によってもマージン率は大きく異なり、IT系の派遣会社の場合だと10%ほど高い傾向にあります。
逆に、事務職やサービス業などは低めに設定されており、建設業界の施工管理になると、10%ほど低くなっています。マージン率は、派遣会社の利益に直結するのではなく、従業員の福利厚生や教育費用などにも使われているため、低ければいいというわけでもありません。
派遣会社にはマージン率を公開する義務がある
平成24年に労働者派遣法が改正され、マージン率を含む派遣会社の情報公開が義務化されました。令和3年4月1日からは、インターネット上で常時、情報提供するように求められています。派遣会社のマージン率に関する情報を確認したい場合は、厚生労働省の人材サービス総合サイト、または派遣会社のホームページを活用するとよいでしょう。
派遣会社のマージン率を算出する方法
派遣会社のマージン率は、厚生労働省が定める以下の計算方法で算出できます。
【マージンの計算式】派遣料金の平均額 - 派遣労働者の平均賃金額
【マージン率の計算式】マージン÷ 派遣料金の平均額 × 100
派遣料金の平均額は、派遣労働者1人を1日8時間として派遣する際に支払われる派遣料金の平均額です。また、派遣労働者の賃金の平均賃金額は、派遣労働者1人が1日8時間働いた場合の賃金の平均額を指します。
派遣会社の利益率
一般社団法人日本人材派遣協会が公表しているデータによると、派遣会社の営業利益率は約1.2%となっています。マージンを取っている分、利益を挙げているのではないかと思われがちですが、実際は大きく利益が出ているわけではありません。
派遣労働者の賃金水準が上昇していたり、社会保険料などの必要経費もかかったりするため、マージンを取ってもほとんど利益としては残っていないのが現状です。
派遣会社のマージン率の内訳
先述した通り、派遣会社がマージンを取るのは、利益を上げるためだけではありません。「一般社団法人日本人材派遣協会」が公表している一般的な内訳は、以下の通りです。
- 派遣労働者に支払う給与:約70%
- 従業員の社会保険料:10.9%
- 有給費用:4.2%
- 人件費や教育研修費用などの費用:13.7%
- 営業利益:1.2%
この結果を見ると、派遣社員に支払う給与が7割を占めていることが分かります。
マージン率が低い派遣会社のメリット
マージン率が低い派遣会社の場合、その分派遣労働者の利益に還元されているケースもあります。マージン率に上限はないため、低く設定している派遣会社は良心的にも思えます。ただし、先述の通り、マージンには派遣労働者をサポートするために必要な費用も含まれているため、低ければいい会社であるとは言い切れません。
マージン率が低い派遣会社のデメリット
マージン率が低く設定されている派遣会社では、社内のサポートや福利厚生などに回せる費用が少なく、派遣労働者に対する待遇が十分ではない可能性があります。教育体制も整っておらず、派遣労働者のスキル不足も懸念されます。
また、派遣会社自体の利益も少なくなるため、経営が厳しい状態かもしれません。逆にマージン率が高い派遣会社では、福利厚生やサポート体制が充実しているなど、社内環境が整っており、その分派遣労働者や営業担当の質が高い傾向にあります。
人材派遣会社に依頼する際の費用の種類
人材派遣会社に、派遣労働者の派遣を依頼する場合、以下のような費用がかかります。
初期費用
人材派遣を利用する場合、まずはイニシャルコストと呼ばれる初期費用がかかります。制服や備品の用意など、派遣労働者を自社で受け入れるためにかかる費用です。
通常の人材採用で必要となる、採用活動にかかる費用などは、派遣会社が負担するため発生しません。また、人材派遣を依頼するための契約金などは発生しないため、初期費用は少ないケースがほとんどです。
継続費用
人材派遣を利用すると、継続するための費用(ランニングコスト)も必要です。継続費用には、派遣労働者の給与や社会保険料、福利厚生費など、派遣労働者の雇用を継続するための費用が含まれます。
継続費用は基本的にマージンとして派遣料金に含まれているため、別途支払う必要はありません。ただし、派遣料金は正社員の雇用よりも割高な費用になる可能性があります。
派遣会社に依頼する費用を抑える方法
人材派遣は、通常の雇用よりも費用が多くかかる可能性があります。ここからは、派遣会社に依頼する費用を抑えるための方法を解説します。
コストの意識を高くする
派遣労働者の人数が増えれば、その分費用がかかります。そのため、社内のコストに対する意識を高め、できるだけ少ない人数の派遣で補えるようにすることが大切です。具体的には、業務時間の管理や作業効率などを見直すといいでしょう。少ない時間でも効率的に業務が進められるようになれば、生産性も向上します。
人材の条件を見直す
専門的なスキルを持つ人材ほど、賃金が高くなりやすい傾向にあります。そのため、派遣会社に求める人材の条件を見直すのも費用削減の手です。自社の業務に見合った人材を派遣してもらい、必要以上の費用が発生しないようにしましょう。
派遣会社を比較する
合わない派遣会社に依頼してしまうと、費用も無駄になってしまいます。派遣会社によって、人材の得意分野やサポート体制などが異なります。2社以上の派遣会社から相見積もりを取り、各社の特徴を比較してみましょう。
派遣会社の選び方
派遣会社選びでは、複数のチェックポイントがあります。最適な人材を派遣してもらうためにも、以下の条件を確認しましょう。
登録者数の多さ
派遣労働者の登録人数が多い派遣会社ほど希望の人材を見つけやすくなります。さらに、エンジニアなどの専門的なスキルを求めている場合は、資格保有者の数や教育体制も確認しておくとよいでしょう。スキルの高い人材がそろっている派遣会社であれば、安心して派遣を依頼できます。
業界や業種への理解
自社の業界や業種に関する理解が深い派遣会社を選ぶのも大事なポイントです。理解のある派遣会社であれば、どのような人材が必要となるかを的確に判断してもらえるでしょう。幅広い業界や業種に対応している派遣会社もありますが、自社の業界や業種に合った派遣会社を選んだほうが、自社にマッチする人材がいる可能性が高くなります。
評判や信頼性の高さ
派遣会社のこれまでの実績や業界での評判なども確認しましょう。特に、同業種の企業への派遣実績は重要なポイントです。依頼する前に評価や口コミなどを確認しておけば、どのような会社なのか把握しやすくなります。また、派遣業は厚生労働大臣の許可を取得している必要があるものの、無許可で行っている事例もあるので注意が必要です。
フォロー体制
派遣労働者に対するフォロー体制も重要です。派遣会社のフォロー体制が整っていないと、派遣労働者が定着せず、派遣中に辞めてしまう可能性があります。派遣労働者との間でトラブルが発生した場合などでも、迅速に対応できる体制が整っているかどうかを確認しましょう。
まとめ
人材確保の方法として多くの企業が利用している人材派遣ですが、マージン率の違いなどで派遣会社選びが難しいケースもあります。派遣会社を選ぶ際はマージン率だけでなく、登録者数や業界への理解、信頼性、フォロー体制などを比較し、自社に合うかどうかを判断しましょう。
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