ITエンジニアリング教育の課題と重要性|育成の進め方やポイントも解説
昨今ITエンジニアの需要が高まっているため、多くのIT関連企業では、優秀な人材を確保するのに苦戦している現状があります。そのため、優秀な人材をそろえるためにITエンジニアリングを教育し、即戦力を育てようとしている企業も少なくないでしょう。
本記事では、ITエンジニアリング教育の課題や育成の進め方を解説します。ITエンジニアリング教育の具体的な方法や、実施する際のポイントについても解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
ITエンジニアリング教育の重要性
クラウドサービスの登場により、ITエンジニアの需要が増加傾向にあります。需要が高まっているものの、すでに経験や知識を兼ね備えているITエンジニアには限りがあるため、企業同士で優秀なITエンジニアの取り合いが起きている状況です。そのため、経験豊富なITエンジニアを採用するだけでなく、優秀なITエンジニアを育成することが注目されています。
また、自社でITエンジニアリング教育を実施する場合は、従業員の育成スキルも向上し、新たな業務効率化のヒントを発見できるため、ITエンジニアの育成が重要と考えられています。
ITエンジニアリング教育の課題
ITエンジニアを自社で育てて戦力にしていくことは、今後重要になると考えられます。しかし、ITエンジニアリング教育には課題もあります。
人手不足
ITエンジニアリング教育を進めるには、育成を担当する従業員が必要です。ITエンジニアの人手が不足し、教育を担当できる従業員がいない場合、ITエンジニアリング教育を進められない企業も少なくないでしょう。
また、ITエンジニアリングは、心的不調による退職者が多い業界でもあります。長時間労働も多く、転職者も増加傾向にあるため、ITエンジニアリング業界は慢性的な人手不足になりがちです。
教育体制の構築が難しい
ITエンジニアリング教育を自社で進めるには、通常業務に加え教育への労力や時間がかかるようになります。ITエンジニアリング教育の体制構築に、リソースを割けない場合は、戦力になる従業員を育成できなかったり、新入社員の離職を引き起こしたりする可能性もあるでしょう。
教育戦略を立てることが難しい
ITエンジニアリング教育は、どのような従業員を育成していくかが重要なポイントです。そのため、ITエンジニアリング教育の戦略は、経営戦略や市場ニーズとのすり合わせが必要です。経営陣との連携ができていないと、教育戦略を立てることが難しいでしょう。
ITエンジニアリング教育の進め方
ITエンジニアリング教育を実施する場合、どのような手順で進めればよいのでしょうか。
教育の目的を決める
まずは、ITエンジニアリング教育によって、どのような目的を達成したいかを考える必要があります。たとえば、社内の課題や、今後の目標などを話し合って目的を決めましょう。さらに従業員に習得してもらいたい技術や、育成したい従業員の立場などを決めておくとよいでしょう。
従業員の要件定義をする
ITエンジニアリング教育の目的を定めたら、その目的を達成するために目指すべき従業員像を考えましょう。たとえば、折衝能力のある従業員を育てたいのであれば、身につけるのは技術よりもコミュニケーション力です。求める従業員像を明確にするには、自社に足りていない部分や課題から、具体的な人物像を設計するとよいでしょう。
従業員の現状を可視化し教育対象者を選ぶ
従業員の要件定義ができたら、従業員の現状と要件を比較し、不足している能力を洗い出しましょう。従業員の現状を把握する際は、従業員それぞれのスキルを表にまとめたスキルマップを作成すると、分かりやすく可視化できるようになります。スキルマップが作成できたら、ITエンジニアリング教育を実施する従業員を選びます。選ぶ際には、教育成果を生かす場があるかなどの点に注目して選考するとよいでしょう。
教育方法を決める
ITエンジニア教育で目指すべき従業員像を明確化したら、教育は社内で実施するのか、外部に依頼するのかなど具体的な育成方法を決めます。
可能であれば対象者全員に同じ教育をするのではなく、対象者によって、身につける能力や伸ばす能力が異なるため、従業員それぞれに適した教育方法を選ぶとよいでしょう。また、教育内容は、対象者自身が成長を感じられるような難易度を目指すと、モチベーションも維持できます。
アクションプランを立てる
最後に教育終了後のアクションプランも立てておきましょう。達成には教育と実践の繰り返しが重要です。教育の振り返りを実施し、その効果や対象者の満足度などを測定したデータから、今後の改善策を考えて次回につなげていきます。
ITエンジニアリング教育の方法
ITエンジニアリング教育にはどのような方法があるのでしょうか。以下で具体的な項目を紹介します。
OJT
OJTとは「On the Job Training」の略で、実務を通して業務に必要なスキルや知識を身につける方法のことです。
OJTのメリットは、実務をしながら学ぶため、実践的な能力が身につくことにあります。さらに従業員同士の信頼関係も構築されるでしょう。デメリットは、教育担当の従業員に業務負担がかかってしまうことです。
社外研修
社外研修は、従業員研修を専門に扱う外部のサービスを利用した教育方法です。社外研修のメリットは、研修のプロから学べるため質の高い教育が受けられることです。また、社内リソースを割かなくてよいため、ほかの従業員負担を増やす必要もありません。
しかし、外部へ依頼するための費用が発生し、自社のスケジュールで教育できない可能性があることが、デメリットといえるでしょう。
社内勉強会・研修
社内勉強会・研修は、社内で実施する教育方法です。研修費や交通費などの費用が不要で、従業員同士のコミュニケーションも活性化されるメリットがあります。ただし、教育を担当できるスキルを持つ従業員がいないと実施できないなどのデメリットもあります。
eラーニング
eラーニングは、パソコンやスマートフォンからインターネット上で学習を進める方法です。場所や時間を選ばず行えるため、業務の隙間時間に学習できるメリットがあります。また、自社のニーズに合わせて内容をカスタマイズできるものもあるため、応用すれば自社独自の教育ができます。
デメリットは、習得した知識を実践する機会を用意する必要があり、そのためにコストがかかる場合がある点です。
自己啓発・独学してもらう
自己啓発や独学により、従業員の自主的な学習で知識やスキルを習得してもらう方法もあります。
メリットは、気軽に学習でき、従業員それぞれのペースで学習を進められる点です。一方で、身につく能力に差が出ることや、実務に生かせる能力を習得できない可能性があるというデメリットがあります。
ITエンジニアリング教育のポイント
ITエンジニアリング教育を実施するにあたり、押さえておくべきポイントを解説します。
報連相を徹底する
ITエンジニアリング教育を受ける従業員が、業務や研修、人間関係でストレスをため込まないようにするため、報連相を徹底するようにしましょう。また、報連相を徹底すれば知識の定着具合の把握ができ、実務への落とし込みのサポートもできるようになります。
教育担当者のスキルを上げる
外部機関ではなく、社内でITエンジニアリング教育を進める場合には、教育を担当する従業員の育成やマネジメントに関するスキルアップも重要です。教育担当者がITエンジニアリング教育について学べる環境も整えるとよいでしょう。
長期的に教育する
即戦力が必要だからと、短期間でITエンジニアリング教育を完了させようとすると、受ける側の従業員にプレッシャーがかかります。そうなると、従業員のメンタルヘルスだけでなく、知識の定着にも悪影響を及ぼす恐れがあるでしょう。また、退職につながるリスクもあります。そのため、ITエンジニアリング教育は、余裕のあるスケジュールを組み、成長に合わせて柔軟に修正する必要があります。
従業員ごとに適した手段で教育する
従業員の個性や性格を考慮して教育方法を選ぶことで、学ぶモチベーションが維持されるようになります。たとえば、実践を通してスキルアップしたいという従業員にはOJT、まずは座学で知識をインプットしたいという従業員には、社外研修を勧めるとよいでしょう。
実践の場を用意する
基礎的な教育が完了したあとは、知識を実務に落とし込めるように、従業員が学んだ内容をアウトプットできるような実践の場を用意します。実践では、フォローやアドバイスが行えるようサポート役の従業員を配置することがポイントです。
従業員が積極的に取り組めるような環境を整える
社内でITエンジニアリング教育の体制が整っていない場合は、従業員が自主的に学べる環境づくりも重要です。
資格の取得や外部セミナーへの参加に関する費用を、自社で負担する制度を設ければ、従業員の自主性が向上する可能性があります。また、従業員との面談を実施して、スキルアップの目標を立てることも重要です。
ITエンジニアリング教育にかかる期間の目安
ITエンジニアリング教育にかける期間は、自社の業種やその目的によって決めましょう。一般的に業界知識のインプットであれば1か月ほど、技術の習得までを目指す場合は3か月ほどで、長くかかるものであれば6か月ほどを目安に教育内容や目標によってスケジュールを立てます。
※参考:3ヶ月は長い?研修の適切な期間とは | 東京ITスクール
ITエンジニアリング教育に利用できる助成金
ITエンジニアリング教育にかかるコストに悩んでいる場合は、助成金を活用するのもおすすめです。ITエンジニアリング教育には、厚生労働省の人材開発支援助成金が活用できるでしょう。そのなかでも、特定訓練コースや一般訓練コースなどを利用できる可能性があります。
まとめ
現在の日本ではITエンジニアの需要が高まっているため、自社でITエンジニア教育を実施し、即戦力になる従業員を育てることも検討する必要があります。目的を明確にし、社内の状況もみながら最適な方法でITエンジニア教育を実施しましょう。
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