エンジニアリングマネージャーとは?採用時に求めるスキルや適性、注意点を解説

プロジェクトにおいて、技術的な課題を抱えている企業は少なくありません。そこで注目されている役職が、エンジニアリングマネージャーです。では、エンジニアリングマネージャーとは、具体的にはどのような役割を担うのでしょうか。本記事では、エンジニアリングマネージャーの役割や、採用時にチェックしたいスキル、適性などを解説します。

Contents

エンジニアリングマネージャー(EM)とは

エンジニアリングマネージャーとは、エンジニアのマネジメントを担うポジションのことです。エンジニアとしても高いスキルと知見を持ち、ビジネスと技術の両方の観点からプロジェクトを成功へと導きます。

その他のポジションとの違い

エンジニアリングマネージャーと混同されがちなポジションに、プロジェクトマネージャーやテックリードなどがあります。それぞれの違いは、以下のとおりです。

プロジェクトマネージャー(PM)との違い

エンジニアリングマネージャーがエンジニアをマネジメントするのに対し、プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体をマネジメントするポジションです。エンジニアリングマネージャーの方がより現場に近い存在で、チームメンバーのタスク管理や課題の解決などを担います。また、エンジニアリングマネージャーには技術的なバックグラウンドが求められるのに対し、プロジェクトマネージャーには必ずしも必要ではありません。

テックリードとの違い

エンジニアリングマネージャーはエンジニアをマネジメントしますが、テックリードは主に製品の品質を向上させるためのマネジメントを担当します。しかし、両者に明確な違いはなく、一方がもう一方の役割を兼任しているパターンもあります。

エンジニアリングマネージャー(EM)の主な役割

エンジニアリングマネージャーの主な役割は次の3つです。

エンジニアのマネジメント

エンジニアリングマネージャーは、エンジニアの生産性やスキルの向上をサポートし、パフォーマンスを最大化させる役割を担います。また、エンジニアのキャリアに関する相談やアドバイスを行うことも役割の1つです。

技術的負債に関する判断

エンジニアリングマネージャーは、既存の技術的負債について、どこまでを受け入れるのか、どのように解消するのか判断する必要があります。さらに、技術的負債がこれ以上生じないための対策を検討することも役割の1つです。

経営陣や営業サイドとの仲介

エンジニアリングマネージャーは、ビジネスと技術の両方の視点で、経営陣・営業と、開発現場との仲介役を担います。認識の齟齬や摩擦をなくし、プロジェクトを成功に導くために大切なポジションといえるでしょう。

エンジニアリングマネージャー(EM)に任せられる業務内容

エンジニアリングマネージャーに任せられる具体的な業務内容は、次のとおりです。

技術的な課題の解消

エンジニアリングマネージャーにとって重要な業務の1つが、プロジェクトにおける技術的な課題の解消です。また、仕様変更にともなう工数の変化に対応する役割も担います。

エンジニアの管理・評価

技術的な観点を踏まえて、エンジニアを評価することもエンジニアリングマネージャーの仕事です。自身にも技術的なバックグラウンドがあるので、エンジニアのスキルやアウトプットの品質などを適切に評価できるというメリットがあります。エンジニアの意欲を高めるなど、マネジメント業務も任せられます。

エンジニアの採用・人員配置

新たな人員を補充する際は、エンジニアリングマネージャーに採用を任せることも可能です。現場に近い視点から、人員の配置を担います。

エンジニアのサポート

先輩エンジニアとしてのアドバイスや、目標設定の手助けなど、エンジニアのサポート役を任せることもできます。エンジニアがパフォーマンスを最大限発揮できるような労働・開発環境を整備することも、エンジニアリングマネージャーの仕事の1つです。

技術投資計画の策定と提案

経営陣だけでは判断しにくい開発環境やプログラミング言語のことを考慮に入れたうえで、技術投資の計画を立ててもらえます。技術的な観点を取り入れることで、より適切な計画を立てることが可能です。たとえば、ITインフラなら、技術的な観点から既存のインフラを見直し、アプリケーションの開発・管理の効率向上、ビジネスパフォーマンスの向上などを目的とした投資計画を立てるよう依頼できます。

エンジニアリングマネージャー(EM)を参画させる方法

エンジニアリングマネージャーを参画させる方法としては、次の3つが考えられます。

自社採用

自社採用は採用・教育コストはかかるものの、技術やノウハウを自社に蓄積できる点が強みです。また、自社の主導で採用活動をできるので、スキルや適性を納得いくまで追求できます。

ただし、日本国内ではIT人材が不足しており、エンジニアリングマネージャーを任せられるような高度人材となるとなおさらです。そのため、エンジニアリングマネージャーの採用活動には苦戦する場合も多いでしょう。

IT人材派遣サービスの活用

人材派遣会社と契約して、エンジニアリングマネージャーとしてのスキルや実績を持つ人材を紹介してもらうという方法もあります。自社採用と比べて採用・教育コストがかからないため、コストカットにつながる点がメリットです。

また、派遣エンジニアはさまざまな現場で経験を重ねてきているので、トラブルにも適切に対応する力や柔軟性を期待できます。ただし、人材派遣は契約期間が限られるため、長く働いてもらいたい場合は注意が必要です。

フリーランスに依頼する

ある程度の経験を積んでから独立し、エンジニアリングマネージャーとして活躍している人材もいます。フリーランス人材に声をかけ、エンジニアリングマネージャーのポジションに着いてもらうという手もあるでしょう。ただし、基本的に個人との契約になるため、トラブルが起きたときに組織的なフォローを期待しにくいというデメリットがあります。

エンジニアリングマネージャー(EM)を採用する際のポイント

エンジニアリングマネージャーを採用する際は、次のポイントを重視するとよいでしょう。

実績や管理職経験

エンジニアリングマネージャーを任せるためには、プロジェクトに関連する技術経験が必要です。また、技術リーダーやチームリーダーとしての、エンジニアの管理経験やプロジェクトマネジメント経験も確認するとよいでしょう。

技術的なスキルと知識

エンジニアリングマネージャーには、ソフトウェア開発プロセスとクラウド技術への深い理解が求められます。自社が使用している技術スタックに精通していると、なおよいでしょう。

ソフト面(性格・価値観など)

自社の企業理念を理解し、カルチャーとの適合性がある人材を選ぶことも大切です。

エンジニアとコミュニケーションをとりながら導く必要があるため、技術的な面だけでなくソフト面も重視する必要があります。

エンジニアリングマネージャー(EM)に求めるべき4つのスキル

エンジニアリングマネージャーに求めるべきスキルは、次の4つです。

1.コミュニケーション能力

エンジニアリングマネージャーには、エンジニアとコミュニケーションを取り、個々の状況を把握する力が求められます。経営陣ともやりとりするため、言語化能力や交渉力も必要になるでしょう。

2.マネジメントスキル

エンジニアのモチベーションや生産性などを管理する役割を担うため、マネジメントスキルも必要です。マネジメントスキルにはいくつかの種類がありますが、エンジニアリングマネージャーに必要なものは以下のとおりです。

  • メンバーを管理する「ピープルマネジメント」
  • 技術的な観点から生産性を最大化する「テクノロジーマネジメント」
  • プロジェクト全体を管理する「プロジェクトマネジメント」
  • ユーザーやクライアントが欲している製品とはなにか考える「プロダクトマネジメント」

3.リーダーシップ

エンジニアリングマネージャーには、自らリーダーシップをとり、チームをまとめ上げる力が必要です。リーダーシップの有無は現場のモチベーションも左右するので、重要なスキルといえます。

4.エンジニアとしての技術力・知識

エンジニアとしての技術力や知識に長けている人物は、メンバーからの信頼を勝ち取りやすく、「この人についていこう」と思われやすいでしょう。また、技術的課題を解消するためにも、エンジニアとしてのスキルの高さはチェックしたいポイントです。

エンジニアリングマネージャー(EM)の適性がある人の特徴

ここからは、エンジニアリングマネージャーの適性がある人の特徴を紹介します。

最新技術に対する興味を持ち続けている

エンジニアリングマネージャーには、高い技術力と知識が求められます。そのため、最新技術への興味や、継続的な学習姿勢は欠かせない要素です。

主体性を持っている

エンジニアリングマネージャーには、自ら現場のエンジニアに働きかけ、課題の発見・解消に努める主体性が必要です。プロジェクトを成功に導き、現状をよりよくするため積極的に動ける人に適しています。

人材の育成にやりがいを見いだせる

チームメンバーを育成し、能力を引き出せることにやりがいを持てる人は、エンジニアリングマネージャーに向いていると考えられます。エンジニアを成長させることで、チーム全体をレベルアップさせることに興味がある人に最適なポジションです。

プロダクトに対してこだわりを持てる

エンジニアリングマネージャーは、よりよい製品を追求できる人に向いています。開発するもの(=プロダクト)そのものに対してこだわりを持ち、高品質なプロダクト開発をするために尽力できるかが重要です。たとえば、ITインフラに関するプロジェクトにアサインしたい場合は、ITシステムを支えることにやりがいを感じ、あらゆる事故や障害を想定したインフラ環境を構築できる人に向いているといえるでしょう。

エンジニアリングマネージャー(EM)を採用する際の注意点

エンジニアリングマネージャーを採用する際は、次のポイントに注意することが大切です。

肩書きにこだわりすぎない

役職の名称は、企業によって異なります。とくに、エンジニアリングマネージャーを明確に置いていない企業では、テックリードが同じような役割を担うことも少なくありません。過去にエンジニアリングマネージャーという肩書きで働いたことのない人でも、同じような実績を積んでいれば採用候補に入れるべきでしょう。

エンジニアに求める役割との違いを理解する

エンジニアリングマネージャーをエンジニアと同基準で採用すると、技術的スキルのマッチ度ばかりを重視してしまいがちです。両者に求める役割は根本的に違うことを理解し、マネジメントスキルもきちんとチェックしましょう。

まとめ

エンジニアリングマネージャーは、技術とビジネス、両方の観点からプロジェクトを成功に導く役割を担います。技術的問題の解消だけでなく、現場のエンジニアのサポートやマネジメントも任せられるため、心強い存在です。

エンジニアリングマネージャーには、技術的なスキルや知識だけでなく、コミュニケーション能力やマネジメントスキルも求められます。しかし、そのような高度な人材は転職市場での需要が高く、獲得が難しい場合も多いでしょう。

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