一般労働者派遣とは?特定労働者派遣との違いや派遣会社を選ぶ際のポイントを解説

自社の人材不足を解消するため、人材派遣サービスを利用する企業は多くあります。人材派遣について調べていると、しばしば「一般労働者派遣」という言葉を目にすることがあるでしょう。一般労働者派遣とはなにか、人材派遣にはどのような種類があるのかについて、気になっている人も多いのではないでしょうか。本記事では、一般労働者派遣の概要や人材派遣の種類、信頼できる人材派遣会社の選び方などを解説します。

一般労働者派遣とは?

一般労働者派遣とは、人材派遣会社が、自社に登録している派遣スタッフをクライアント企業に派遣する事業形態です。自社に登録するスタッフを派遣することから、「登録型派遣」と呼ばれることもあります。人材派遣会社は、登録しているスタッフのなかからクライアント企業の要望に応じた人材を選定し、派遣することが決定した後に雇用契約を結びます。

特定労働者派遣との違い

一般労働者派遣の場合、派遣スタッフは人材派遣会社と雇用契約を結びますが、派遣先での契約期間が終了するとともに契約は解除されます。一方、特定労働者派遣は、派遣スタッフが人材派遣会社と常時雇用契約を結びます。

一般労働者派遣が幅広い業種に対応しているのに対し、特定労働者派遣は専門性の高い業種に限定される点も特徴です。また、一般労働者派遣は許認可制ですが、特定労働者派遣は許認可がなくとも事業を運営できます。

なお、2015年の派遣法改正によって特定労働者派遣は廃止され、「労働者派遣事業」に一本化されました。現在は、すべての派遣事業に許認可が必要となり、一定要件を満たした企業のみが派遣事業を営めます。

労働者派遣事業の許認可を受けている会社の見分け方

現在の労働者派遣事業に一般・特定の区別はなく、人材派遣サービスを提供するためには厚生労働省による労働者派遣事業の許認可が必要です。

しかし、まれに許認可を取得していない悪質な業者も存在します。信頼できる業者と取引するためにも、以下のような方法で許認可の有無を見分けましょう。

  • ホームページで許認可の番号を確認する
  • 厚生労働省の人材総合サービスサイトで検索する

なお、無許可の事業者から派遣スタッフを受け入れた場合、「労働契約申込みみなし制度」の対象となり、派遣スタッフが承諾すると労働契約が成立します。つまり、派遣スタッフが望めば自社で直接雇用しなければならないため、十分注意が必要です。

人材派遣の派遣形態

人材派遣の派遣形態は、有期雇用派遣・無期雇用派遣・紹介予定派遣の3種類に分かれます。

有期雇用派遣

有期雇用派遣は、ここまで解説した「一般労働者派遣」と同じ派遣形態です。派遣スタッフは人材派遣会社にあらかじめ登録し、派遣先が決まると、人材派遣会社と契約して企業に派遣されます。「有期」とあるように派遣期間には定めがあり、派遣期間の終了後、更新されない場合は人材派遣会社との契約も終わります。

無期雇用派遣

無期雇用派遣とは、雇用期間の定めのない派遣形態です。無期雇用の場合は、派遣先で就業していない期間でも、人材派遣会社から派遣スタッフに対して給与や休業手当が支払われます。有期雇用派遣と異なり派遣期間の定めがないため、優秀な人材に長く働いてもらえるというメリットがあります。

紹介予定派遣

紹介予定派遣とは、派遣先の企業での直接雇用を前提とした派遣形態です。最長6か月を期限とし、派遣スタッフとして就業してもらったあと、双方の合意があれば直接雇用契約を結びます。スキルや適性などを見極める期間として活用でき、入社後のミスマッチを防げるというメリットがあります。

人材派遣会社に依頼する手順

人材派遣会社に依頼する流れは、おおむね以下のとおりです。

  1. 派遣スタッフに求める条件や就業条件を決める
  2. 人材派遣会社を選定する
  3. 人材派遣会社に対して、条件に合うスタッフの派遣を依頼する
  4. 人材派遣会社と契約を結ぶ
  5. 派遣スタッフを受け入れる

派遣スタッフの選定は人材派遣会社が行うので、労働者に希望する条件を明確化することが大切です。求めるスキルや経験、就業条件などを明らかにしたら、人材派遣会社を選定しましょう。次に、人材派遣会社に対して、スタッフの派遣を依頼します。契約を締結したら、派遣スタッフの受け入れスタートです。なお、自社が契約を結ぶ相手は、派遣スタッフではなく人材派遣会社です。

人材派遣会社を選ぶ際のポイント

ここからは、人材派遣会社を選ぶ際のポイントを解説します。

得意とする業界や職種

人材派遣会社には、それぞれ得意不得意があります。IT系やオフィス系(事務)など、特定の業界や職種に特化した人材派遣サービスもあります。自社が属する業界や、派遣を依頼したい職種に合わせて、それらを得意とする人材派遣会社を選ぶとよいでしょう。

派遣開始後のフォロー体制

派遣先の企業や、派遣スタッフへのフォロー体制が充実した人材派遣会社を選ぶことも大切です。サポートが充実していると、企業と派遣スタッフの双方が、安心して人材派遣サービスを利用できます。万が一、派遣スタッフとの間でトラブルが発生した場合も、的確なサポートを受けられるでしょう。

信頼性が高い

過去の実績や評判などから、企業としての信頼性を把握することも重要です。派遣事業の許認可はもちろん、優良派遣事業者認定の有無もあわせて確認するとよいでしょう。

優良派遣事業者認定とは、各種法令の遵守をはじめ、派遣スタッフのキャリア形成支援や派遣先でのトラブル予防など、一定のサービス基準を満たした派遣事業者を認定する制度です。優良派遣事業者認定を受けている企業を選べば、質の高いサービスを期待できる可能性が高まります。

登録しているスタッフが多い

ある程度の規模があり、登録しているスタッフが多い人材派遣会社なら、自社にマッチした人材を紹介してもらいやすいと考えられます。ホームページなどで公表されている情報から、登録者数を確認してみましょう。

対応している派遣形態

無期雇用派遣や紹介予定派遣など、対応している派遣形態も確認しておくと安心です。人材派遣サービスを利用する目的を明確化し、自社に適した派遣形態を選択しましょう。

人材派遣会社に依頼する際の注意点

人材派遣会社に依頼する際は、次のポイントに注意することが大切です。

  • 受け入れ期間には制限がある
  • 派遣スタッフの選考・特定は禁止
  • 契約書に記載のない業務は任せられない
  • 人材派遣を利用できない業務もある

それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。

受け入れ期間には制限がある

派遣スタッフの受け入れ期間には、制限が設けられています。通称「3年ルール」と呼ばれており、個人単位と事業所単位でそれぞれ期間制限があるので注意しましょう。

個人単位同じグループ・課などにおいて、同じ派遣スタッフを3年を超えて受け入れることはできない。
事業所単位同じ事業所において、派遣スタッフを3年を超えて受け入れることはできない。

派遣スタッフの選考・特定は禁止

面接や面談を通じて、派遣スタッフを自社で選考する行為は禁止されています。また、特定の派遣スタッフの指名も認められていません。人材派遣会社に要望を伝えることは可能なので、求める人材のスキルや経験などを明確にしておきましょう。

契約書に記載のない業務は任せられない

派遣スタッフには、契約書にあらかじめ記載した業務しか任せられない決まりとなっています。そのため、契約書には、今後任せるかもしれない業務についても記載しておくと安心です。受け入れ後に想定外の業務が発生した場合は、まずは人材派遣会社に相談してみましょう。

人材派遣を利用できない業務もある

以下の業務については、人材派遣サービスの利用が禁止されています。

  • 港湾運送業務
  • 建設業務
  • 警備業務
  • 医療業務
  • 士業

派遣スタッフに任せたい業務が、禁止業務に当てはまらないことを事前に確認しておきましょう。

まとめ

かつての人材派遣事業は「一般労働者派遣」と「特定労働者派遣」に分かれていました。しかし、現在は「労働者派遣事業」に一本化され、すべての派遣事業で厚生労働省の許認可が必要です。

許認可の有無は、人材派遣会社のホームページや、厚生労働省の人材総合サービスサイトなどで確認できます。加えて、得意な業界・職種やフォロー体制なども考慮したうえで、自社に適した人材派遣会社を選びましょう。

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