情シスが抱える課題とは|社内での解決方法からアウトソーシングまで解説
情報システム(情シス)部門が直面する課題は、人手不足、セキュリティ、2025年問題への対応など多岐にわたります。本記事では、これらの課題に対して社内・社外からの解決策を紹介します。また、社外解決としてアウトソーシングの活用にも注目しました。自社の情シスにおける課題解決に役立ててください。
Contents
情シスとは
情シスとは「情報システム部」の略であり、社内の情報システムの企画、開発、運用、保守などを担います。
また、情シスはITを活用した企業の売上向上につながる提案や新業務の運用にも貢献しています。これにより、企業がスムーズに業務を遂行し、競争力を維持できます。
情シスの役割
情シスの主な役割は、社内インフラや既存システムにかかわる運用や保守と管理を担当することです。売上や業務に直結するIT戦略や社内システムの企画や開発、IT環境の見直しも推進します。
また、社内のITサポートを提供するヘルプデスクや、サイバー攻撃への対応にあたるセキュリティ対策も情シスの役割です。
情シスはITの全般だけでなく、企業の成長や組織力の向上に深く関与し、ビジネスに価値を提供する役割を果たします。
情シスの課題
情シスには次の課題があげられます。
- 業務が多様
- 人手不足による情シスの兼務化
- セキュリティ対策が不十分
- 情シスの相談相手がいない
- 2025年の崖への対応
業務が多様
情シスの業務は、既存システムやネットワークの構築・運用・保守、セキュリティ対策、業務の効率化・生産性の向上など、広範囲にわたります。
特に、システムトラブルや新システムの導入時には、緊急で追加の対応が発生し、オーバーワークのリスクも高まります。
また、リモートワーク用のパソコン設定業務の増加や、問い合わせへの対応の複雑化も課題です。これらの課題に対処するには、システムのシンプル化や負荷軽減の取り組みが必要です。
人手不足による情シスの兼務化
情シスが直面する課題に、高度なITスキルを持つ専門家の不足があります。これにより業務負担が増加し、過重な負担から退職者の増加を引き起こす悪循環があります。
2030年には、IT業界全体で約59万人ものIT人材不足が予測されています。高度なITスキルを保有する情シスの人材不足は、今後も深刻化が予想されています。
セキュリティ対策が不十分
現代の企業内のIT分野は、新しいツールや多彩なシステムを頻繁に導入しているため、セキュリティ対策が不十分なケースが増えています。
本来、セキュリティ対策を担当することが情シスの業務です。しかし、急なシステム障害やトラブルの対応業務に追われ、機器のアップデートや情報資産管理などの重要な対策が後回しになる場合があります。
情シスの相談相手がいない
多くの中小企業では、少人数で情シスの業務を担当しているケースが見られます。そのため、情シス部門の知識や技術が担当者の能力の範囲に限られ、人手不足が業務効率の低下や負荷の増大を引き起こす要因となっています。
また、情シスの業務が担当者のみの知識に依存しており、問題やトラブル発生時に情シスの担当者が解決できなかったり、不在時には業務がブラックボックス化し、業務がストップしたりするリスクが高まります。
2025年の崖への対応
経済産業省が発表した「2025年の崖」という課題があります。本課題では、2025年を境にレガシーシステムと呼ばれる既存の古いシステムが残存した場合の経済損失は、最大12兆円にのぼる可能性が予想されています。
旧システムから新システムへの移行が未完了の場合、2025年を境に社会のDX化に対応できなくなるため、企業のシステムの刷新が急がれています。
※参考:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~|経済産業省
情シスの課題を社内でクリアする方法
情シスの課題を社内でクリアする方法として以下の3つがあげられます。
- 効率化による業務改善
- 経営サイドの理解を得る
- 従業員のITリテラシーの向上
効率化による業務改善
まずは、業務フローや社内運用を徹底的に見直し、定型業務を標準化・自動化することがあげられます。また、トラブルマニュアルやよくある質問をシステムで簡単にアクセスできるように共有し、問題解決のスピードを向上させる方法もあります。これにより、情シス部門はより効率的に業務を遂行し、全体的な業務向上に貢献できるでしょう。
経営サイドの理解を得る
情シスの業務体制や人員配置には経営層の介入が必要です。経営層に対して、情シスの強化が会社の将来を見据えた重要な投資であることを説明し、理解と協力を得るための説明が不可欠です。情シスが経営層と連携し、共通の目標に向かって協力することが、課題の克服につながるでしょう。
従業員のITリテラシーの向上
情シスに頼らなくても解決する社内の仕組みづくりも重要です。従業員のITリテラシー向上の促進や、情シス業務の属人化を解消し、誰でも対応できる再現性のあるプロセスを確立することが必要です。
従業員のITリテラシー向上は、情シス担当の負担を軽減し、企業のセキュリティを強化するうえで重要となります。情シスと全従業員の協力により、これらの課題をクリアするための基盤を築くことが大切です。
情シスの課題を社外でクリアする方法
情シスの部署を立ちあげて、システム開発、運用、保守を行うのは、多くの企業にとって難題です。というのも、これらの業務は高度な専門知識と経験を必要とし、人材採用とトレーニングに多くの時間とリソースを要するからです。
対策として、ヘルプデスクの業務委託を含む業務の代行をアウトソーシングすることがあげられます。情シス担当を増員するより、コスト削減と効率向上が実現可能です。情シスの部署はコア業務に専念し、同時に高品質な情報システムの運用を確保できるでしょう。
情シスのアウトソーシング化で得られる3つのメリット
情シスのアウトソーシング化で得られるメリットは次の3つです。
- ITシステムを安定して運用できる
- コア業務に専念できる
- 業務の属人化を解消できる
ITシステムを安定して運用できる
ITシステムのアウトソーシング化により、情シスはメンテナンスやセキュリティにあてられます。緊急時には専門知識を持つスタッフが迅速に対応し、復旧時間を短縮できます。復旧までの時間が短くなることで、自社のシステムの安定稼働につながります。
コア業務に専念できる
情シスのアウトソーシングにより、IT関連の日常業務に費やす時間や労力を削減でき、そのかわりにIT戦略やシステム企画立案など、企業内でより重要な業務に集中できます。これにより、企業全体の生産性向上やITの最適化が実現され、競争力を高める手助けとなります。情シスのアウトソーシングは、組織の戦略的な目標達成に向けた重要なステップといえるでしょう。
業務の属人化を解消できる
情シスの業務が特定の担当者に依存すると、その担当者が休暇や急な欠勤の際にシステムトラブルへの対応不能に陥るリスクが高まります。アウトソーシングによって、専門的なサポートを提供するパートナーが常に稼働できる状態であることは、業務の連続性の確保につながります。
また、業務プロセスが透明化されることで、情報共有と連携が改善され、組織全体での理解が高まります。
情シスをアウトソーシングした場合の業務事例
情シスをアウトソーシングした場合の業務事例を3つ紹介します。
- システム・ネットワークの運用保守
- キッティング・ITインフラの構築
- ヘルプデスク業務
システム・ネットワークの運用保守
システム・ネットワークの運用保守のアウトソーシングにより、専門のエンジニアによってWebやメールのサーバーにかかわるインフラの設計と設置が行われます。
また、機器のメンテナンスやセットアップ、設計のアップデート、機器ネットワークトラブルへの対応もでき、インフラが安定します。情シスのアウトソーシングは、ITインフラの運用保守代行を可能にし、企業はコア業務に集中できる利点があります。
キッティング・ITインフラの構築
キッティングとITインフラの構築には、IT機器調達から初期設定までのプロセス支援や、ITインフラ基盤の構築・導入が含まれます。また、セキュリティ設定や、仮想化ソリューションの業務もあります。
アウトソーシングされた側が専門知識を活かし、これらの業務を効率的に遂行することで、情シス部門は企業戦略に注力できるでしょう。
ヘルプデスク業務
ヘルプデスク業務は、情シスのアウトソーシングに最適です。煩雑な管理業務をまとめて代行する管理者向けコールセンターで、ライセンスの付与やパスワードのリセットなどのITサポートを提供します。
また、パスワードやメール設定などのよくある質問から、技術的な問い合わせまで包括的に対応し、従業員のIT関連の問題を迅速に解決します。
アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービスとは
アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービスには次の特徴があります。
- ITインフラに特化したサービス提供
- 「エンジニア常駐型」と「社内業務請負型」で選べる
ITインフラに特化したサービス提供
2,000社以上のクライアントに長年にわたり信頼され、クラウドからセキュリティまで、高度なエンジニアリングからキッティングサービスまで幅広いITサービスを提供し続けています。
クライアントのビジネスニーズにワンストップ対応が可能なため、複数のベンダー契約を省略できることもメリットです。
「エンジニア常駐型」と「社内業務請負型」で選べる
アイエスエフネットのITエンジニア派遣サービスは、柔軟な選択肢を提供しており「エンジニア常駐型」と「社内業務請負型」からお選びいただけます。
「エンジニア常駐型」は、現場に熟練エンジニアが常駐し、さまざまなIT業務を請け負います。一方、「社内業務請負型」は、弊社の拠点で業務を遂行し、ヘルプデスクなどのコスト効率を重視する業務に従事します。特に、ヘルプデスクはマルチリンガル対応が可能です。
まとめ
情シスは多くの課題に直面しています。課題を解決するには、業務の効率化や従業員のITスキルの向上があります。
情報システムのアウトソーシングは、ITシステムの安定運用やコア業務への専念、依存度の軽減など多くのメリットを提供します。
アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービスは、これまで業種問わず大手企業から中小企業まで、2000社以上との取引実績があります。またITインフラに特化した2000名以上のエンジニアが在籍し、社内のサーバー管理・保守やマルチリンガルに対応したヘルプデスクなど幅広いエリアで高品質なサービス提供が可能です。
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