内製化とは?目的やメリット・デメリット、成功事例を業務効率化に活かそう!

内製化とは、それまで外注していた業務を自社での対応に切り替えることです。適切な内製化に成功すると、コスト削減や業務効率化につながるなどの利点があります。この記事では、内製化の概要や目的、メリット・デメリット、成功させるためのコツなどを解説します。内製化について知りたい人や、内製化を検討している場合は参考にしてください。

そもそも内製化とは?

内製化とは、外部に委託していた業務に自社の従業員や設備などのリソースを割き、社内で対応するように切り替えることを指します。重要性の低い業務やシステム開発・運用などは、社内のリソースを確保するために外注されることが少なくありません。

しかし、トラブルへの対処が遅くなったり、外注するためのコストがかかったりするなど、問題点もありました。これらの問題解消を目的に、内製化を進める企業が増えています。

内製化を進める目的

内製化を進める目的は多岐にわたります。ここでは、具体的な目的とそれぞれの詳細を解説します。

経費を削減する

業務の外注によって発生する費用は、月額固定費とオプション追加料金の2つです。さらに、イレギュラーな事態や問題が生じれば、対応のために別途費用がかかります。内製化できれば、外注にかかる費用が不要となり経費削減にも効果的です。

業務の効率化を図る

業務の効率化を図ることも、内製化を進める目的です。業務の外注は、臨機応変な対応が難しく定型的ではない業務には向いていません。しかし、内製化できれば社内で完結できるほか、関連する業務も把握しているため効率がよくなります。

トラブル対処のスピードアップ

内製化を進めれば、トラブルが発生したとしても迅速な対処が可能になります。社内で業務が完結している分、外注先への確認やコミュニケーションなどの手間がかからないためです。

内製化する6つのメリット

内製化はさまざまなメリットをもたらします。ここからは、内製化における6つのメリットとそれぞれの詳細を解説します。

1.臨機応変な対応ができる

外注できる業務の内容や範囲には限りがあり、場合によっては適切な調整が必要です。また、イレギュラーへの対処も難しく、臨機応変な対応は期待できません。しかし、内製化すれば社内で業務を完結できるため、臨機応変に対応できます。

2.セキュリティが向上する

内製化すれば自社の情報が外部にわたらないため、セキュリティの向上が期待できます。サイバー犯罪への対策という観点からも、情報を外部に提供しないことは重要です。

3.ノウハウを蓄積できる

業務を自社で行うことで、実践的な知識やノウハウを蓄積できます。また、業務やシステムに関するブラックボックス化の防止になったり、中長期的な人材育成につながったりします。

4.コストを削減できる

内製化によって、外注にかかっていたコストの削減が可能です。社内におけるリソースを割く必要はありますが、長期的には金銭的な面で大きな節約になります。特に、専門性の高い業務は外注費も高くなりがちなので、内製化による節約がおすすめです。

5.業務をコントロールできる

業務をコントロールしやすくなるため、各種調整がしやすくなります。たとえば、システムの開発・運用なら、開発内容や業務フロー、スケジュールなどを最適化しやすいでしょう。また、コミュニケーションも取りやすく、効率的に調整を進められます。

6.プロジェクト進行がスピーディになる

DX推進に伴って、新しい施策が実現できるか検証する、いわゆるPoCに取り組む企業が増えています。内製化していれば、社内で検証や測定などが完結するため、PoCをスムーズに進めることが可能です。結果として、プロジェクトの実装・進行がスピーディになります。

内製化する4つのデメリット

内製化する際は、いくつか注意するべき点もあります。以下は、内製化により発生する4つのデメリットです。

1.人材育成のコストがかかる

内製化では、対象となる業務を担当できる人材を用意する必要があります。適切な人材がいない場合は育成が求められるため、時間とコストがかかりがちです。すでにノウハウや経験のある人材なら問題ありませんが、外部委託の期間が長いほど可能性は低くなります。

2.設備投資・運用コストがかかる

設備投資や運用コストの発生なども、内製化によるデメリットです。システム開発・運用であれば、パソコンやサーバーといった機材、業務管理に用いるソフトウェアなどのツール類が必要となります。外注費と比べてどれぐらいコストがかかるか確認しましょう。

3.コストへの意識低下

内製化は、コストへの意識低下を招きかねません。外注の場合は、業務に対する委託費用が明確なため、コストが分かりやすく目に見えます。しかし、社内で業務を進めると、業務に対するコストの程度が可視化しづらく、把握しにくくなります。

4.大規模な開発は難しい

大規模な開発が難しくなることも、内製化によるデメリットです。社内で確保できる時間・人材などのリソースには限界があり、対応できる業務の規模も限定されます。特に、昨今の日本ではITエンジニアが不足しており、自社だけで人材をまかなうことが難しい傾向にあります。

内製化をすべきか判断するポイント

内製化にはメリットとデメリットがあるため、自社の状況を確認したうえで判断しましょう。判断のポイントとなる部分は、次のとおりです。

コア業務・ノンコア業務どちらか

開発対象となる業務の種類が、内製化すべきか判断するポイントとなります。コア業務の場合は、内製化によって得られる経験や蓄積するノウハウなどの観点から、優先的に内製化するべきといえます。一方、ノンコア業務は競争優位性を生み出さないため、内製化しても企業の発展につながりにくいでしょう。そのため、ノンコア業務の内製化は優先順位が低くなります。

人材が確保できているか

自社の人的リソースを把握しましょう。内製化に確保できる人材の数や質が適切なレベルでなければ、継続的な運用が難しくなる可能性が高いからです。また、内製化にリソースを割きすぎて、既存の業務に影響を与える場合は、内製化を見送る必要があります。

業務の継続性

業務の継続性も、内製化の実施を判断するポイントとして挙げられます。対象の業務が短期間で完了するなら、一時的に外注するという選択肢も視野に入れましょう。しかし、対象の業務が長期間に渡って取り組むようなものなら、内製化がおすすめです。期間が長くなるほどコスト削減の幅が大きくなり、ノウハウの蓄積もできます。

内製化を成功させるコツ

あらかじめコツを把握した方が、内製化を成功させやすくなります。ここからは、具体的なコツとそれぞれの詳細を解説します。

内製化の適正を正しく見極める

対象となる業務の内製化への適正を正しく見極められるように意識するべきです。基本的には、コア業務かノンコア業務かが基準となります。ノンコア業務よりも、コア業務の方が内製化に適しているため、適切に判断しましょう。

内製化と同時に人材を育てる

内製化をする際は、並行して人材の育成も実施しましょう。内製化はシステムが完成したら終わりではなく、その後の運用も含まれます。そのため、内製化の一環として、あらかじめ人材育成も進めることが重要です。

全てを内製化しようとしない

内製化にはメリットとデメリットがあり、全ての業務に適しているわけではありません。業務ごとに内製化と外注のどちらか適切な方を選びましょう。また、全て内製化しようとすると、想定以上にコストが増加します。業務の一部を外注することで、コスト削減につながる可能性もあります。

内製化を目的としない

内製化はあくまで目的達成のための手段です。内製化そのものを目的にしてしまうと、内製化によって得られるコスト削減や業務効率化といったメリットを得にくくなります。手段と目的が逆にならないように注意しましょう。

内製化を進める手順

適切な手順を踏むことで、効果的に内製化を進められます。ここでは、手順を大きく3つに分けて解説します。

システムの棚卸し

社内の全ての業務が内製化の対象になり得るため、まずは全体像を把握する必要があります。社内システムを棚卸して可視化し、内製化に適している業務を洗い出しましょう。

リソースの確保

内製化するべき業務を明確にしたら、人材や時間といったリソースを確保することが重要です。リソースの不足が原因で、継続が不可能になる事態を避けるためです。各従業員が有している知識やノウハウを洗い出し、対象業務を担当できる人材であるか確認しましょう。

内製化の範囲を決める

内製化にはコストや時間、人材といった各種リソースが必要です。また、全ての業務に適しているわけではありません。そのため、内製化する業務の種類や範囲などを定めておくことが大切です。

内製化の成功事例4つ

内製化に成功すると、さまざまなメリットを得られます。ここからは、4つの業界における成功事例を紹介します。

サービス業

元来は既存ツールを使ってシステムの脆弱性診断をしていましたが、一部の要求を満たせませんでした。そこで、社内でツールを独自開発し、既存ツールにはない対応が可能になりました。費用についても、外部委託費を年間1億円以上も削減できています。

金融業

2019年より、スマートフォン決済アプリを実施していた金融機関の事例です。アプリの利便性向上や、地域活性化につながるような機能を実装したところ、柔軟性と対応の早さが改善しました。なお、アプリは4万ダウンロードを超える成功を収めています。

アパレル業

大手アパレル企業は、自社で開発したプラットフォームを2020年に稼働させました。横展開が迅速になり、アップデートも素早く対応可能になっています。また、製造から販売までの流れを自社で一貫して担う体制を築き、ビジネスを軌道に乗せて急成長を実現しました。

小売業

システム開発を内製化することで、外注への依存を脱却した例が小売業にあります。内製化の実施によって開発スピードが向上したり、社内へのノウハウの蓄積にもつながったりしました。また、情報システムを担う部門の働き方改革も実現しました。

内製化が注目される背景は?

内製化が注目されている背景には、2025年の崖という問題からの脱却が挙げられます。2018年に経済産業省が発表したDXレポートによると、2025年時点でレガシーシステムを運用する企業の割合は6割に達するとされています。

しかし、日本には自社でIT人材を雇用している企業が少なく、レガシーシステムの刷新が難しい状態です。なお、レガシーシステムの刷新が遅れると、年間で最大12兆円の経済損失が発生するとされています。

まとめ

内製化は成功すればさまざまなメリットがありますが、時間やコスト、人材などリソースの面から実施が難しいことも多くあります。そのような場合は、外注による対応がおすすめです。

アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービスは、最大級のITインフラサービスです。派遣するエンジニアは正社員で雇用しており、教育体制も整っているため、質の高い人材がそろっています。ITエンジニアの増員や体制の強化を検討している場合は、ぜひアイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービスをご利用ください。

アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービスの問い合わせはこちら

アイエスエフネットがIT担当者の課題を解決!

アイエスエフネットがIT担当者の課題を解決!

よく読まれている記事

IT人材不足をまるっと解決!

ピックアップ記事

よく読まれている記事

ITインフラエンジニア派遣に関する情報を発信ITインフラエンジニアの人材不足をまるっと解決!