ITベンダーとSIerとの違い|選び方や契約時のメリット・デメリットを解説

ITプロジェクトを進める際には、ITベンダーやSIerの活用が検討されます。しかし、事前にそれぞれの特徴を把握していなければ、自社に必要な開発環境を整えることは難しくなります。本記事ではITベンダーとSIerの違いや、ITベンダーの利用におけるポイント・注意点などを解説します。

Contents

ITベンダーとは

「ITベンダーという言葉を聞いたことはあっても、具体的な意味までは把握していない」という方は多いのではないでしょうか。以下では、ITベンダーの基本について解説します。

そもそも「ベンダー」とは何か

ベンダーは英語の「Vendor」をそのまま読んだもので、「商人」や「売り手」といった意味を持つ言葉です。一般的には商品やサービスを提供する、販売会社を指します。IT業界に限らず、さまざまな領域でベンダーという言葉が使われています。

ITベンダーとはIT製品・サービスを提供するベンダーのこと

ITベンダーとは、IT製品の販売やサービスの提供などを行う企業を意味します。IT事業に必要な商品やサービスを、需要にあわせて専門的に支援する企業が該当します。商品・サービスを1度提供して終わりではなく、ITインフラ構築や販売・保守など、必要な業務を一貫して実施するベンダーもあります。

ITベンダーとSIerとの違い

ITベンダーの利用時には、SIerとの違いを理解することも重要です。以下では、ITベンダーとSIerの違いについて解説します。

SIerの基本

SIerとは「System Integration」の略称で、システムの開発から提供まで一貫して事業をサポートしてくれるサービスです。企業が求めるシステム構築を担当し、あらゆる需要に応えることが業務内容です。開発したシステムの運用も担うため、長期的に事業を任せられるサービスとして注目されています。

ITベンダーは既存の製品を販売する点が大きな違い

SIerは企業のニーズにあわせて、システム構築などの業務を担当するサービスです。一方でITベンダーは、既存の製品を販売して消費者のニーズに応えるのが特徴です。「一からシステム構築をする」のか、「既存の製品を販売する」のかが、ITベンダーとSIerの大きな違いです。そのためITベンダーに依頼する際には、取り扱っている製品についての事前チェックが必要です。

ITベンダーの種類について

ITベンダーには、いくつかの種類があります。それぞれに特徴があるため、依頼時にはITベンダーごとの違いを把握することも重要です。以下では、ITベンダーの種類について解説します。

ハードウェアベンダーとは

ハードウェアベンダーは、ハードウェア製品の販売を主に行うITベンダーです。例えば、パソコンや周辺機器、サーバー・ネットワーク製品などを取り扱います。実際に手に取って触れられるものを販売する点が、ハードウェアベンダーの特徴です。

ソフトウェアベンダーとは

ソフトウェアベンダーは、ITのソフトウェアを販売する企業です。IT業務に関係するソフトや事業における効率化や業務削減を実現するソフトを取り扱っています。例えば、セキュリティソフトや会計ソフト、在庫管理ソフトなどを販売しています。

シングルベンダーとは

シングルベンダーとは、特定のメーカーが提供する製品・サービスを販売するITベンダーです。自社が開発した製品・サービスを提供するケースが多く、アフターフォローが充実していることがあります。

マルチベンダーとは

マルチベンダーは、複数のメーカーの製品・サービスを取り扱うITベンダーです。複数の製品・サービスを組み合わせられるため、より効果的な環境構築を目指せます。

ITベンダーを活用するメリット

ITベンダーを活用することには、多くのメリットがあります。以下では、ITベンダーに依頼することで得られるメリットについて解説します。

企画から保守まで一気通貫で依頼ができる

ITベンダーは、IT企画の立案から保守まで一気通貫で依頼ができます。まとめて業務を依頼できるため、スムーズに開発環境を整えられる点がメリットです。新規で立ち上げる事業に、最適なIT環境を導入する際などにもITベンダーが役立ちます。

取り扱っている製品について詳しい情報を得られる

ITベンダーは取り扱って製品・サービスについて、豊富な知識を持っています。具体的な使い方や自社に効果的な使用方法を、アドバイスしてもらえるケースもあります。製品・サービスを有効活用することにつながる点も、ITベンダーに依頼するメリットです。

ITベンダーに依頼するデメリット

ITベンダーへの依頼時には、メリットだけでなくデメリットもあります。事前にデメリットについても把握し、対策を考えることもポイントです。

自社エンジニアの成長につながりにくい

ITベンダーにプロジェクト全体を任せてしまうと、自社エンジニアの成長につながりにくいというデメリットがあります。エンジニアが成長しないと、いつまでもIT事業を内製化できない可能性があります。ITベンダーに依頼する際には、将来を見据えて自社エンジニアの育成に力を入れることも重要です。

コストが高くなる可能性がある

ITベンダーへの依頼には、それなりのコストがかかります。依頼する規模によっては、想定外のコストが発生するデメリットも懸念されます。無尽蔵にコストが増大しないように事前に予算を決めて、その範囲内で収まるように調整してもらうのもポイントです。

優良なITベンダーの選び方

ITベンダーへの依頼時には、優良な企業を選ぶ方法を把握する必要もあります。以下では、優良なITベンダーの選び方について解説します。

ITベンダーとしての実績を確認する

ITベンダーとして、具体的にどのような実績があるのか確認することが基本です。豊富な実績を持つITベンダーほど、柔軟に業務を対応してもらいやすい傾向にあります。過去の実績で培ったノウハウを自社で活かせる可能性もあるため、なるべく実績のあるITベンダーを選ぶのがポイントです。

IT技術の発展に追いついているかチェックする

IT技術の発展は早いため、既存のシステムや技術がレガシー化することも多いです。ITベンダーに依頼する際にも、IT技術の発展に追いついているかチェックし、最新技術を取り入れられる企業と契約する必要があります。自社でIT技術に詳しい人材を確保し、ITベンダーの技術力を評価できるように備えるのも1つの方法です。

ITベンダーとの契約に向けた準備

ITベンダーと契約する際には、事前準備が重要です。以下では、ITベンダーとの契約に向けて準備すべきポイントを解説します。

依頼内容と任せる業務の範囲を明確にする

ITベンダーの活用時には、まず依頼内容と任せる業務の範囲を明確にする必要があります。具体的に依頼内容を構築することで、必要なコストや事業規模がみえてくるケースが多いです。事業の全体像と今後の方針を明確にするためにも、まずは依頼内容と業務範囲を設定します。

ITベンダーに使える予算の上限を設定する

当たり前のことですが、ITベンダーに使える予算の上限を設定し、その範囲内に収まるように契約するのもポイントです。予算上限を設定することで、ITベンダー側から最適な環境を提示てもらえる可能性もあります。どうしても予算オーバーしてしまう際には、スモールスタートを目指して別サービスの活用も検討されます。

複数のITベンダーから見積もりを取る

複数のITベンダーから見積もりを取り、最適な取引先をみつけるプロセスも必要です。最初に依頼したベンダーにそのまま決めるのではなく、SIerも含めてさまざまな企業と話し合うのがおすすめです。

ITベンダーと契約する際の注意点

ITベンダーと契約する際には、いくつかの注意点があります。トラブルに発展しないように、ITベンダーとの契約における注意点も確認しておきましょう。

優秀なエンジニアが在籍しているか確認しておく

ITベンダーとの契約時には、優秀なエンジニアが在籍しているか確認しておく必要があります。エンジニアのスキルが足りない、人数が確保できないといったケースでは、有効活用が難しくなるでしょう。企業のホームページや口コミを確認し、エンジニアの能力を想定しておく必要があります。

ITベンダーの強みと自社のニーズがマッチするかチェックする

ITベンダーによって得意分野は異なるため、自社のニーズとマッチするかチェックすることも重要です。自社の求めるニーズを満たせるITベンダーを選定し、その上で契約内容を詰めていくプロセスが求められます。マッチするITベンダーがみつからない場合には、別サービスの活用も視野に入れる必要があります。

ITインフラを整えるのなら「アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービス」もおすすめ

ITインフラを整えるのなら、「アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービス」の活用もおすすめです。

豊富なスキル・実績を持つ人材を正社員派遣で提供可能

「アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービス」は、ITインフラに関する業務を担当できるエンジニアを、確保・派遣しているサービスです。豊富なスキルと実績を持つエンジニアを正社員雇用しているため、事業にマッチする人材を提供可能です。

夜間対応可能なエンジニアも在籍しているため、急遽エンジニアの欠員が出た場合にもご活用いただけます。エンジニア確保の際には、無料相談の窓口からぜひアイエスエフネットのサービスにご相談ください。

まとめ

ITベンダーを活用する際には、その特徴やSIerとの違いを理解する必要があります。SIerと比較してどの点が優れているのか、利用時にはどんな点に注意すべきなのかを、この機会に確認してみてください。

ITインフラに関する業務を担当できるエンジニアを確保するのなら、「アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービス」へご相談ください。エンジニア提供における具体的な提案はもちろん、派遣後のフォローも万全となっています。派遣されたエンジニアが、その実力を発揮できるようにバックアップするため、高いパフォーマンスを実現できます。

ITインフラを整えるためにエンジニア確保を目指す際には、アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービスの利用をぜひご検討ください。

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