人件費率とは?人件費率の目安や改善する方法などを解説!

企業を経営するうえで欠かせないのが、人件費です。そして、売上における人件費の割合を示す人件費率は、企業の財政状態を測る重要な指標になります。この記事では、人件費率の概要や、人件費率の改善方法などを解説します。人件費に含まれる費用の種類や範囲などについても解説するので、参考にしてみてください。

人件費率とは

人件費率とは、売上における人件費の割合を示す数値で、売上高人件費率とも呼ばれます。人件費率を求める際は、下記の計算式が求められます。

人件費率 = 人件費 ÷ 売上高×100(%)

人件費率は、経営戦略を立てる際の参考になるなど、経営指標として扱われるデータの1つです。

産業別にみる人件費率の目安

人件費率は一定な訳ではなく、産業や企業の規模によって数値が異なります。産業別の人件費は、下記の数値が参考となります。

業種人件費率
卸売業7.2%
小売業14.47%
飲食店33.1%

人件費率の平均値は13%前後が一般的とされており、目安は給与の1.5〜2倍です。

※参考:中小企業庁:(6) 産業別計数表

人件費率の高低で分かること

人件費率から、企業の経営状態や財政状況を予想することが可能です。ここからは、人件費率が高い・低い場合に分かることを解説します。

人件費率が高い場合

人件費率が高い状態は、経費における人件費の負担が大きいことを表しています。売上高が少なくて相対的に人件費の割合が多くなっていたり、単純に人的コストが高すぎたりすることが原因です。

人件費率が低い場合

人件費率が低い状態は、経費における人件費の負担が小さいことを表しています。生産性が高いと人件費率は低くなりますが、従業員へ充分に還元されていない状態でもあります。

従業員への還元が適切でないと、モチベーションの低下による業務効率の悪化や、退職などを招きかねないため、注意が必要です。

人件費率を改善する方法

人件費率を改善する方法はいくつかあります。ここからは、具体的な方法とそれぞれの詳細を解説します。

売上を増やす

人件費率を改善する方法の1つが、売上を増やすことです。売上が増えると、相対的に経費における人件費が占める割合は小さくなり、人件費率は下がります。

売上を増やすためには、商品価値を見直したり、新規顧客を獲得したりすることです。市場環境が原因で売上が伸び悩んでいる場合は、別の分野に力を入れて売上を伸ばすのも選択肢の1つです。

効率や生産性を上げる

効率や生産性を上げれば、作業にかかる時間が減るため人件費率は改善します。効率や生産性を上げる施策としては、設備や作業工程を整えることが挙げられます。

具体的には、使用しているパソコンを新型にして作業しやすくしたり、作業における工数や手順などを洗い出して、課題の発見・解決を容易にしたりするなどです。

人員を減らす

人員を減らすと、必要となる人件費も少なくなるため、人件費率が改善します。人員を減らすには、新たに雇う従業員の数を抑えたり、今いる従業員の数を調整したりする方法が代表的です。

しかし、今いる従業員を解雇することで知識やノウハウなどが流出したり、業務の効率が悪くなったりするなど、リスクがともなうことを留意しておきましょう。

人事評価制度を整備する

人件費率が高い原因として、従業員への報酬が適切でない可能性があります。そういった場合は、人事評価制度を見直して、成果に対して適切な報酬になるように調整するべきです。

しかし、給与を下げると従業員のモチベーション低下や離職を招きかねないので、慎重に実施しましょう。

適切な箇所・額の人件費を投入する

部署や部門などによって、適切な人件費は異なります。なぜなら、必要となる従業員の数や、生産性の程度などに差があるためです。

しかし、人件費が過剰な箇所があれば改善するべきです。逆にリソースが足りなかったり、より伸ばしたりしたい部分があれば、人件費を投入しましょう。

人件費とは

人件費とは、従業員の労働に関わる費用全般を指します。営業損益の1つであり、販売費および一般管理費として経費計上されることが一般的です。

しかし、勘定科目に関する規定は特にないので、部分的に製造原価や給与手当として計上される場合もあります。

人件費に含まれる費用

人件費は、さまざまな費用から構成されています。以下は、人件費に含まれる費用とそれぞれの詳細です。

給与・各種手当

従業員への給与や各種手当などは、人件費の内訳の1つです。基本給をベースに、歩合給や残業手当、役職手当や通勤手当、扶養家族手当や住宅手当などが含まれます。

賞与

賞与とは、通常の給与とは別に支払われる臨時の給与です。ボーナスや一時金、夏季手当や冬季手当、年末手当や期末手当などの名称が用いられます。なお、計上するのは従業員へ支払われる賞与のみで、役員への賞与は含まれません。

役員報酬

取締役や監査役など、会社役員に支払われる報酬が、役員報酬です。一般の従業員とは別項目で計上されます。役員報酬として扱われるものは、以下の通りです。

  • 定期同額給与
  • 事前確定届出給与
  • 利益連動給与

法定福利費

社会保険料や労働保険料における会社負担分が、法定福利費となります。なお、費用の一部か全部を負担することが、法律で義務づけられています。

そのため、法定福利費を支払わないことは不可能です。また、保険の種類や業種ごとに負担率が定めらており、削減することは容易ではありません。

福利厚生費

福利厚生費は、従業員の福利厚生のための費用を指します。福利厚生には、健康診断や社員旅行、忘年会などが該当します。

すべての従業員に平等に支出することが定められており、特定の従業員に支出した場合の扱いは、福利厚生費ではなく給与です。

退職金

退職金とは、役員や従業員が退職した際に支払われる賃金です。退職金の種類は、主に退職一時金と退職年金の2つに分けられます。

退職一時金は対価や功労金という意味合いが強い一方、退職年金は企業年金制度から一定額が支払われるという、年金としての側面が強いのが特徴です。

人件費の範囲

人件費となる範囲は、雇用形態によっても異なります。雇用形態ごとの人件費の範囲については、下記の通りです。

正社員

正社員に支払われる各種経費は、人件費に該当します。具体的には、上記で挙げた給与や賞与、福利厚生費などが、正社員における人件費の範囲に含まれます。

契約社員

契約社員の場合も、人件費となる範囲は正社員と同じです。なお、契約社員という括りにはアルバイトやパートなども含まれます。

なお、採用や教育に関するコストは、以下の勘定項目となることが一般的です。

採用教育費:採用活動費や、業務との関連性が低い教育費など
研修採用費:業務との関連性が高い教育費など
福利厚生費:すべての従業員が参加するセミナーの参加費など

役員

役員は一般的な従業員と異なり、労働契約ではなく委任契約となります。そのため、役員報酬や役員賞与などのコストは、人件費には含まれません。

役員における人件費は、兼務役員に支払う報酬における、業務への対価にあたる部分です。しかし、業務への対価にあたる部分は算出が難しいとされています。

そのため、兼務役員を除く全従業員の賃金の最高額が、人件費としてカウントされることが一般的です。

派遣社員

派遣社員へ支払う報酬は、勤務形態によって計上先が変わることが多くあります。たとえば、常勤で勤務形態が正社員と近い場合は、人件費として扱われる傾向にあります。しかし、臨時的に雇用する場合には、雑費として計上されることが一般的です。

まとめ

企業を経営していくにあたり、人件費の発生は避けることができませんが、企業にとって負担が大きい部分でもあります。そのため、適切な人材を適切なコストで活用することが望ましいものの、思うようにいかず悩むケース場合も多いかもしれません。

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