人件費が高いと言われている理由とは?内訳についても解説
人件費は年々高くなっている傾向にあります。そのため、人件費を減らして経営状況を改善したいと考えている方もいるのではないでしょうか。この記事では、人件費の概要や内訳、高くなっている理由などについて解説します。人件費を削減する方法についても述べているため、参考にしてください。
Contents
人件費とは
人件費とは、人を雇用することにによって生じるさまざまな費用のことを指す言葉です。給与以外にも「人の労働」に関わる費用全般を指しています。
人件費は、現物給与と現物給与以外の2種類に分けられます。現物給与は、所定内賃金や所定外賃金、賞与などです。現物給与以外は、退職金費用や法定福利費、法定外福利費、福利厚生費などです。
人件費率とは
人件費率とは、売上高に対し人件費がどれだけかかっているのかを調べるための指標のことです。人件費率の計算方法は、以下のとおりです。
売上高人件費率=(人件費÷売上高)×100
売上高人件費率は、人件費が経営を圧迫していないかどうかなどを測るために用いられます。経営状況に応じて人件費を見直したい際には、まず人件費率を確認しましょう。
人件費の内訳
ここでは、人件費の内訳について解説します。
給与手当
給与手当は、雇用契約を基に従業員に支払われる給与や報酬、諸手当のことです。役職手当や通勤手当、残業手当、住宅手当などの諸手当も含まれます。ただし、住宅手当については、福利厚生費として計上するケースもあります。
賞与
賞与とは、定期的な給与とは別に従業員に支払われる臨時の給与のことです。定期の給与とは別に、役員と従業員に対して支払われ、ボーナスとも呼ばれます。企業にもよりますが、賞与は年2~3回支払われることが一般的です。
役員報酬
役員報酬とは、特定の役職を持った従業員に支払われる報酬のことです。役職を持った従業員の例は、取締役、執行役員、監査役などです。これらの役職が役員として扱われ、役員報酬の対象となります。
役員報酬の額は、定款の規定や株主総会での承認によって決まります。
法定福利費
法定福利費とは、法律に基づいて企業が負担すべき費用のことです。具体的には、健康保険や厚生年金保険、介護保険等の社会保険費用に加え、労災保険・雇用保険などが法定福利費となります。
法定福利費は、企業が一部あるいは全額を負担します。
福利厚生費
福利厚生費とは、企業が福利厚生を目的として支払う費用全般のことです。具体的には、社員旅行費や会社負担の忘年会費、健康診断費、冠婚葬祭費(結婚・出産祝い金、慶弔金)、借り上げの社宅費用などが福利厚生費となります。
福利厚生費の項目は多岐にわたり、全ての従業員に平等に支出されます。特定の従業員に支払われる項目は給与となる点に注意しましょう。
退職金
退職金とは、役員や従業員が退職する際に支払うお金のことです。退職までの勤務に対する功績や勤務年数などに応じて金額が決定されます。
具体的な金額については、就業規則や退職金規程を基に決められます。退職金について、どのような規定を定めているかを再確認しておくことも大切です。
近年人件費が高いと言われている理由
ここでは、人件費が高いと言われている理由について解説します。
人手不足が進んでいる
生産年齢人口(15~64歳)が減っていることもあり、近年は人手不足が続いています。企業は人材確保のために高水準の労働条件を提示するため、人件費が上がっています。
とくに、専門的な職種では人材が不足傾向です。十分な知識を持った優秀な人材を確保するために人件費が上がっているという背景を押さえておきましょう。
最低賃金が上がっている
人件費が高いといわれている理由は、最低賃金が上がっている点です。賃金の支払いは人件費に含まれるため、その分コストが増えています。近年の最低賃金の推移は、以下の表のとおりです。
年度 | 全国加重平均額 |
2018年 | 874円 |
2019年 | 901円 |
2020年 | 902円 |
2021年 | 930円 |
2022年 | 961円 |
2023年 | 1,004 円 |
※参考:平成14年度から令和5年度までの地域別最低賃金改定状況|厚生労働省
コストを削減する方法
ここでは、人件費に関わるコストを削減する方法について解説します。
業務効率化を図る
人件費に関わるコストを削減する方法は、社内において業務効率化を図ることです。とくに、ノンコア業務であるバックオフィス業務のアウトソーシングが有効といわれています。業務をアウトソーシングすれば、人件費を変動費に変えられるためです。
また、業務効率化によって1人当たりの作業時間を減らすなどの取り組みも考えられます。1人当たりの作業時間を減らせば残業も少なくなり、残業代を支払う機会も減少します。
経費を見直す
社内においてコストを削減したい際には、人件費以外の経費が削減できないかもチェックしましょう。チェックする項目の例は、以下のとおりです。
・オフィスの光熱費や家賃
・接待交際費
・設備費
など
減らすべき支出と減らすべきではない支出を判断し、適切に見直しを進めることが大切です。
従業員の育成に力を入れる
社内においてコストを削減したい際には、従業員の育成に力を入れましょう。
従業員を育成することで、業務におけるパフォーマンスが上がります。採用にコストをかけるよりも、業務効率や労働生産性をアップさせる方が効率的な場合があります。具体的な取り組みは、研修の実施やマニュアルの作成などです。
ITシステムを活用する
人件費に関わるコストを削減する方法は、ITシステムの活用です。ITシステムを活用することで、従業員の業務効率がよくなります。
ITシステムの導入にはコストはかかりますが、間接的に人件費を削減できます。たとえば、経費精算システムを導入すれば、経費の計算などにかかっている時間を短縮し、残業代を削減できるでしょう。
人件費を削減する際の注意点
ここでは、人件費を削減する際の注意点について解説します。
目的を明確にする
人件費を削減する際の注意点は、削減の目的を明確にすることです。目的を明確にしなければ、施策が中途半端なものとなるでしょう。
また、目的を明確にすることは、企業の経営ビジョンを明確にすることにもつながります。ひいては、削減に関して従業員の理解も得やすくなります。
段階的に進める
人件費を削減する際の注意点は、取り組みを段階的に進めていくことです。一気に進めると、引き継ぎ不足や急な人員不足によって社内に混乱を招く恐れがあります。
また、従業員の信用を失うばかりでなく、顧客に対しても大きな悪影響を及ぼす恐れがある点にも注意しましょう。削減にあたってやるべき業務内容を整理し、優先順位を考慮することをおすすめします。
従業員に丁寧に説明をする
人件費を削減する際には、従業員への説明を丁寧に行いましょう。
給与やボーナスがカットされれば、従業員のモチベーションやエンゲージメントは低下します。モチベーションが低下するとパフォーマンスが落ちる恐れがあるため、従業員の気持ちに配慮しながら取り組みを進めていく必要があります。
モチベーションの観点からも、給与・賞与のカットやリストラはできるだけ避けるとよいでしょう。
まとめ
社内の人件費が高いと感じている際には、まず人件費の考え方を再度把握したうえで、どのように削減を進めていくべきかを丁寧に検討しましょう。安易に従業員の給与カットなどを図るのではなく、どのようにコストを削減すべきかを綿密に考えることをおすすめします。
社内業務を外注することで費用を抑えたいと考えている場合には、派遣の活用もおすすめです。
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