オフショア開発を英語でするメリット|ブリッジエンジニアについても解説

近年、中小企業を中心にオフショア開発の動きが広がっています。この記事では、オフショア開発を検討中の担当者に向けて、英語でオフショア開発を行うメリットや、オフショア開発を仲介する企業、ブリッジエンジニアの役割について解説します。記事を読むことで、オフショア開発での英語の必要性が理解できるでしょう。

オフショア開発とは

オフショア開発とは、システム開発のプロジェクトを自国以外の企業に委託する開発手法です。委託する業務内容には、開発工程だけでなく、インフラ構築や保守運用も含まれます。コスト削減や高度な技術を求めて行われることが多いでしょう。オフショア開発に似た言葉として、国内の安価な地域に委託する「ニアショア開発」があります。

オフショア開発の現状

近年では、中小企業によるオフショア開発が増えています。人気のある委託先は、インドやベトナム、フィリピン、バングラデシュなどです。中国は、人件費の高騰により、新規の委託先としての人気は低くなっています。また、当初はコスト削減を目的としていましたが、近年では、国内のITエンジニア不足により技術者の調達が優位になっています。

英語でオフショア開発するメリット

英語でオフショア開発する主なメリットは次の3つです。

  • 企業選定の選択肢が増える
  • コミュニケーションを密にとれる
  • 優秀な人材の確保

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

企業選定の選択肢が増える

英語でオフショア開発を行う大きなメリットとして、企業選定の選択肢が増えることが挙げられます。英語力があれば、オフショア先に日本人がいるかどうかを重視する必要がなくなり、委託先企業の技術力や専門性、エンジニアのスキルを重視できます。

フィリピン、インド、マレーシアなどは英語が公用語に含まれており、他の東南アジア諸国と比べて英語でのコミュニケーションが容易です。

コミュニケーションを密にとれる

コミュニケーションを密にとれることも、英語でオフショア開発を行うメリットです。

システム開発では、国内企業のエンジニアと国外企業のエンジニアで、緊密なコミュニケーションをとりながら進める必要があります。お互いに理解できる英語でのコミュニケーションにより、トラブルの発生リスクを軽減できるでしょう。

また、要件の伝達や進捗の確認、問題点の共有などもスムーズに行えるため、開発プロジェクトの成功率を高める効果も期待できます。

優秀な人材の確保

英語でのオフショア開発は、優秀な人材の確保につながります。海外では、日本語ができるエンジニアよりも、英語ができるエンジニアを探す方が容易なためです。「英語が話せる人材」「開発案件に合うスキル保有の人材」などの条件で人材を探せば、優秀なエンジニアを確保できる可能性が高まります。

オフショア開発のために英語を話せる人材を雇用すべきか否か

オフショア開発のために英語を話せる人材を雇用するべきかどうかは、依頼先によって異なります。開発企業と直接やり取りをする場合は、英語でのコミュニケーションが必要不可欠です。一方、海外の開発企業との仲介役を担う日系オフショア会社に依頼する場合は、コミュニケーションのサポートを受けられるため、英語力のある人材の雇用は必須ではありません。

日本企業と開発を担う海外企業を仲介するブリッジエンジニア

日系オフショア開発企業の大半では、ブリッジエンジニアを採用しています。ブリッジエンジニアは、オフショア開発において、日本企業と現地スタッフとのコミュニケーションの懸け橋を担うエンジニアです。日本チームからの要望をまとめ、製品開発の要件をオフショア開発チームに展開し設計を行います。

現地エンジニアが日本チームとうまく働けるよう支援し、委託元の依頼内容や仕様を正確に伝えることも、ブリッジエンジニアの業務です。

オフショア開発におけるブリッジエンジニアの役割

オフショア開発におけるブリッジエンジニアの主な役割は、次の3つです。

  • 海外企業へのプロジェクトの説明
  • 海外企業の業務の進捗や品質のチェック
  • 自社と海外企業のミーティングのセッティングと舵取り

それぞれの役割について詳しく解説します。

海外企業へのプロジェクトの説明

ブリッジエンジニアは、システム設計スキルと語学力を生かして、クライアントと開発チームの橋渡しを行います。主な業務は、オフショア先の企業とその企業に所属するエンジニアに対する、開発業務のプロジェクトの詳細な説明です。

また、説明の過程で出てきた疑問や問題点に対して細かい調整を行いながら、プロジェクトが円滑に進むようサポートを行います。

海外企業の業務の進捗や品質のチェック

海外企業の業務の進捗や品質のチェックも、ブリッジエンジニアの重要な役割です。オフショア開発先の企業から提出される成果物の品質をチェックし、不適切な箇所があった場合はフィードバックと修正依頼をします。

また、納期までに決められた品質の成果物が納品できるように、スケジュール調整や各種課題に対応するといった進捗管理も担当します。

自社と海外企業のミーティングのセッティングと舵取り

自社と海外企業のミーティングのセッティングと舵取りも、ブリッジエンジニアの役割です。言葉の意味の取り違いといったコミュニケーションエラーの発生を防ぎ、ミーティングが円滑に進むようにサポートします。

社内に英語が堪能な人材がいない場合は機械翻訳ツールを活用する

社内に英語が堪能な人材がいない場合、オフショア開発でのメールやチャットのやり取りなど、英語が必要な場面では機械翻訳ツールを活用するとよいでしょう。人工知能(AI)技術進歩により、機械翻訳ツールの精度は急速に向上しています。

しかし、まだ誤った翻訳をすることがある点には注意が必要です。出力された英訳文を再度日本語に翻訳し、原文と意味が異なっていないかをチェックするとよいでしょう。

英語に堪能な正社員がいない場合のオフショア開発方法

英語に堪能な正社員がいない場合のオフショア開発方法は、次の2つがあります。

  • 受託型のオフショア開発
  • ラボ型のオフショア開発

受託型のオフショア開発

英語に堪能な正社員がいない場合の方法として、受託型のオフショア開発があります。開発の指示を行う依頼企業と、委託される海外のシステムエンジニアやIT企業の間に支援サービスが立ち、両者を仲介する方法です。

依頼企業は支援サービス提供企業とのやりとりだけで済むため、英語力がなくても、オフショア開発のメリットを享受できます。ただし、委託先とのコミュニケーションにタイムラグが生じやすいため、万が一のトラブルに対処しづらいデメリットもあります。

ラボ型のオフショア開発

ラボ型開発は、委託元・支援サービス企業・委託先の3社がそれぞれ人員を出し、1つのチームを形成します。互いに役割を持ったチームで開発に取り組むため、受託型のオフショア開発よりも、円滑にコミュニケーションが取れる点が特徴です。

支援サービス企業が委託元と委託先をつなぐ形で開発に参加するため、受託型と同様に英語が使えなくても開発を進められます。ただし、チームの構成からスタートする手法であるため、開発を始めるまでに時間がかかる場合がある点には注意しましょう。

まとめ

オフショア開発は、英語に堪能な正社員がいない企業でも実施可能です。仲介役の支援サービス企業や機械翻訳ツールなどを利用するとよいでしょう。

英語力に不安があってもオフショア開発を検討したい企業は、ITインフラ専門のアイエスエフネットにご相談ください。20年の実績を持ち、クラウドサービスの導入から運用・保守まで一気通貫でサポートします。正社員の専門エンジニアによる全国17拠点のサービス網と、マルチリンガル対応で、お客様の課題解決に全力で取り組みます。

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