オフショア(オフショアアウトソーシング)とアウトソーシングの違いとは?メリットや注意点を解説
オフショア(オフショアアウトソーシング)とアウトソーシングはどちらも外部への委託を指す言葉ですが、具体的な意味合いは異なります。この記事では、オフショアとアウトソーシングの違いやそれぞれのメリットについて解説します。外部委託を検討している人は参考にしてください。
Contents
オフショアとは
オフショアとは、海外に全部、または一部の業務を委託することを指す言葉です。また、海外へのアウトソーシングをオフショアアウトソーシングと呼ぶこともあります。オフショアは、主に人件費の削減を目的として行われます。
オンショアとは
オンショアとはオフショアの対義語であり、自国内もしくは自社内のみで業務をすることを指す言葉です。海外進出をしないため、オフショアに比べてリスクが少ない点が特徴です。ただし、人件費などの観点から、オフショアほどのコストメリットはありません。
アウトソーシングとは
アウトソーシングは、国内外を問わず業務の一部をほかの企業に委託することを指す言葉です。アウトソーシングは、業務の効率化やコア業務への注力を目的として行われます。さまざまな業務に活用可能であり、外部のリソースや知識を利用することで、自社では対応しきれない業務を行えるようになります。
オフショア(オフショアアウトソーシング)とアウトソーシングの違い
オフショア(オフショアアウトソーシング)とアウトソーシングは、どちらも業務委託において用いられる手法ですが、委託する先を海外に限定するか否かといった違いがあります。オフショアとは異なり、アウトソーシングは国内外問わず業務を委託することです。そのため、海外への業務委託がオフショア、国内外問わず他社への業務委託がアウトソーシングであると理解すると、覚えやすいでしょう。
オフショアにおすすめの国
オフショアにおすすめの国は、下記のとおりです。
- ベトナム:親日国である、国民性が勤勉、単価が安いといった理由から、オフショア先として日本国内での人気が高い。ただし、単価が上昇気味である点には注意。
- フィリピン:英語が公用語であるため、英語でのコミュニケーションが取りやすい。英語圏を含め、世界に広く展開する製品開発におすすめ。
- インド:ITに関わる技術力が世界でもトップクラスに高い。大規模なシステム開発におすすめ。
など
上記はあくまでも一例であり、オフショアができる国は特定の国に決まっているわけではありません。実施される際には、コスト削減のために自国より物価や人件費が低い国にオフショアするケースが多くみられます。たとえば、日本より物価と給与が高い国からは日本に業務をオフショアすることも可能です。
オフショアのメリット
ここでは、オフショアのメリットについて解説します。
開発コストを下げられる
オフショアのメリットは、開発コストを下げられる点です。IT業務全般においては、とくに人件費が膨らみやすい傾向です。しかし、エンジニアの人件費が安価な国でオフショアをすれば、人件費を下げられます。一説には、オフショアによって人件費は半分程度に抑えられるともいわれています。
人材を確保しやすい
オフショアのメリットは、ITに関わる人材を確保しやすい点です。国内では、エンジニアの需要に対して供給が追いついておらず、人材が不足しています。このような状況においても、オフショアをすれば他国の優秀な人材を確保しやすくなるでしょう。IT技術者の育成を支援する国策に力を入れている国もあるため、そのような国を選べば優秀なエンジニアを確保できる可能性もあがります。
オフショアのデメリット
ここでは、オフショアのデメリットについて解説します。
コミュニケーションの壁がある
オフショアのデメリットは、現地のエンジニアとのコミュニケーションの壁がある点です。オフショアは、コミュニケーションの面で問題が起こりやすい手法であるだけでなく、文化や商習慣が異なる点も課題として挙げられます。もし現地に日本語が得意な人材がいたとしても、細かなニュアンスまでは伝えるのは難しい恐れがあります。
進捗管理が難しい
オフショアのデメリットは、プロジェクトの進捗管理が難しい点です。物理的に距離が離れているため、進捗や品質のチェックを即座にできないなど管理しにくい点が課題です。
仮に現地からの報告がしっかりされていても、実際には報告内容とは異なり遅延が起こっているケースもあります。日本人とは仕事に対する考え方が異なるため、日本人にとっては当たり前であることも、現地の人にとっては当たり前ではない可能性がある点を押さえておきましょう。
アウトソーシングのメリット
ここでは、アウトソーシングのメリットについて解説します。
他社のノウハウを活用できる
アウトソーシングのメリットは、他社のノウハウを活用できる点です。他社の高度な技術や専門ノウハウを活用できるため、業務の効率性が上がります。
また、他社が持っている豊富なデータベースにアクセスできるケースもあります。ノウハウや情報を有効に活用することで、自社で業務を遂行するよりも業務の質が上がるでしょう。
人件費や固定費を削減できる
アウトソーシングのメリットは、人件費や固定費を削減できる点です。具体的には、従業員の採用・教育コストや設備投資にかかる費用などに関わる支出を抑えられるでしょう。優秀な従業員を重要でない仕事に割り当てる必要がなくなり、柔軟に配置できるようになる点もメリットです。
アウトソーシングのデメリット
ここでは、アウトソーシングのデメリットについて解説します。
社内にノウハウがたまりにくい
アウトソーシングのデメリットは、社内に業務に関わるノウハウがたまりにくくなる点です。アウトソーシングによって他社のノウハウを活用できるものの、社内で業務内容を把握していなければノウハウがたまりにくくなるでしょう。
自社にノウハウがたまっていないと、アウトソーシング先との契約が切れた際に業務を遂行できなくなるなどの問題が起こります。そのため、アウトソーシング先からノウハウを共有してもらう取り組みが必要です。
情報漏洩のリスクがある
アウトソーシングのデメリットは、情報漏洩のリスクがある点です。
アウトソーシングにおいては、委託する業務によっては顧客情報や従業員情報などの情報を共有する必要があります。そのため、もしアウトソーシング先のセキュリティレベルが低い場合は、情報漏洩のリスクを抱えることになるでしょう。
リスクを回避するためにも、アウトソーシング先が情報セキュリティに関する認証を持っているかどうかの確認が必要です。
オフショアとアウトソーシングに向いている業務
ここでは、オフショアとアウトソーシングに向いている業務をそれぞれ解説します。
オフショア
オフショアに向いている業務は、下記のとおりです。
- 大規模・長期的なプロジェクト:コストがかさみがちだが、オフショアにより人件費を抑えられる
- 環境に依存しないプロジェクト:場所にこだわらないクラウドサーバーを利用する業務など、国内で開発する必要がなければオフショアの方がコストを抑えられる
- 現地でも使われている製品の開発:オフショア先のエンジニアが知っている製品であれば、失敗を防ぎやすい
など
アウトソーシング
アウトソーシングに向いている業務は、下記のとおりです。
- 定型化しやすい業務:定型的で独自性が少なければ、外注でも品質管理がしやすい
- 専門的な判断が必要ない業務:専門的な判断が必要なければ、アウトソーシングをしても依頼先の裁量でスムーズに業務を進められる
など
オフショアを進める際の注意点
ここでは、オフショアを進める際の注意点について解説します。
実績のある会社を選ぶ
オフショアを進める際には、実績のある会社を選ぶよう心がけましょう。相手先の選定を間違えると、低品質な成果物を納品されるなど、プロジェクトが失敗する恐れが出てきます。
失敗を防ぐためにも、自社がオフショア開発したいプロジェクトに関する実績があるかどうかをあらかじめ調べることをおすすめします。開発先によって得意分野は異なるため、依頼する際にしっかり調査するよう意識しましょう。
相手の国の文化を理解する
オフショアを進める際には、相手の国の文化や価値観を理解することも大切です。
相手の国の国民性や文化を理解していないと、仕事においてもコミュニケーションがうまく取れない可能性が高まります。そのため、相手方についてしっかり理解を深めておきましょう。
また、日本の常識が相手の国の常識でないことを理解しておくことも大切です。ミスコミュニケーションを防ぐためにも曖昧な表現は避け、丁寧にコミュニケーションを取りましょう。
まとめ
IT業務にあたってコストを抑えたければ、オフショアを含めたアウトソーシングがおすすめです。とくにオフショアであれば、国内でかかる人件費よりも大幅に費用を抑えられるでしょう。得られるメリットとデメリットを比較したうえで、検討することをおすすめします。
もし国内でのアウトソーシング、海外の業務を日本へオフショアすることによって業務の効率化及びコスト削減を検討されている場合には、アイエスエフネットの活用がおすすめです。アイエスエフネットはITインフラサービス専門としては国内最大級であり、エンジニアの教育体制やサポート体制も充実しています。
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