情シス部門のリソース不足を解消する方法とは?リソースが不足する理由も解説

リソースとは、「ヒト」「モノ」「カネ」といった、企業が事業を営むために不可欠な資源です。リソース不足は進行形の事業やプロジェクトに影響を与えるだけでなく、人離れにつながることもあります。企業全体の問題へ発展しかねないため、早めの解決が大切です。本記事では、リソース不足の原因からリソース不足を解決する効果的な方法までを詳しく解説します。リソース不足でお悩みの方は参考にしてみてください。

リソース不足の現状

まずは、リソースとは何かや、リソースが不足しているとはどのような状態なのかを解説します。

リソースとは

「資源」や「財源」の意味をもつリソース(resource)は、ビジネス用語では「ヒト(従業員)」「モノ(設備)」「カネ(資金)」という意味を持ちます。

リソースは、ビジネスシーンで業務を達成するために必要な「経営資源」であり、企業が事業を営み、継続的な発展を続けていくうえで不可欠なものでしょう。

リソース不足とは

リソース不足の状態は、事業を進めるうえで欠かせないお金や物資、人員が必要量に達していないことをいいます。

とくに、正社員の人手不足は年々増加傾向にあるとされています。帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2024年1月)」によると、業種別にみた正社員の人手不足の割合では、IT企業を指す「情報サービス」が77.0%でトップとなり、過去最高を更新しました。

※参考:人手不足に対する企業の動向調査(2024年1月)|帝国データバンク

リソースの種類

企業におけるリソースには、いくつかの種類があります。

  • ヒューマンリソース(人的リソース)
  • 経営リソース
  • 外部リソース

ヒューマンリソース(人的リソース)

ヒューマンリソース(人的リソース)は、業務に従事する従業員を指し、企業のリソースで最重要項目ともいえます。どれだけ資源や財産のある企業でも、人がいなければ事業を営むことすらできません。そのため、ヒューマンリソースは、業種を問わずあらゆる業務で必要な資源でしょう。

経営リソース

経営リソースとは、金や時間、情報、知的財産を指します。企業が適切な経営を行うためには、経営リソースをどのように生かして事業をするかが重要です。

また、企業にとって重要な資産である「情報」は、経営の根幹を担う要素でもあります。そのため、セキュリティ対策をはじめ、情報の適切な管理体制の構築と維持が求められます。

外部リソース

外部リソースは、社外に存在する資源のことです。主な外部リソースとしては、人材派遣やアウトソーシング(業務委託)などが挙げられます。社内で遂行する業務やプロジェクトにおいて人材が不足しているときには、外部リソースから必要な技術を持ち合わせた人材を素早く確保することが可能です。

外部リソースを適宜活用することで、企業経営を最適化し、その他のリソースも適切に活用できるようになります。

リソース不足に陥る原因・背景

企業がリソース不足に陥る原因は、事業や企業規模によってさまざまです。ここでは、リソース不足の一例を紹介します。

社内体制や管理の不備

恒常的なマルチタスクを強いるスケジューリングや非現実的な目標設定があると、当然のことながら人材やお金に不足が生じ、リソース不足に陥ります。

また、適切なツールやシステムを採用しておらず、アナログ手法のままで業務効率がなかなか上がらない社内体制や環境もリソース不足が発生しやすいといえます。リソースの管理体制が整っていない環境も、リソース不足が発生しやすいでしょう。

予算制約により優先度が低い

予算が制約されてしまうと、人材の確保や設備投資などが思うように行えず、業務に影響が出てしまいます。直接的な売り上げにつながらない情報システム部門は、予算投資の優先度が低くなりやすく、リソース不足の状態が続くこともあるでしょう。適切な予算投資を行うためには、経営層の現場理解が必要不可欠です。

労働人口自体の減少

日本の人口は、以前より減少傾向にあります。総務省の人口推計(2023年)によると、15~64歳人口は前年と比較して24万人の減少、15歳未満人口は33万1千人の減少という結果が出ています。日本全体の労働人口が減少傾向にあるうえ、IT人材は育成に時間やコストもかかるため、さらにリソース不足が深刻な状況です。

※参考:「人口推計」(総務省統計局)

情報システム部門の業務と役割

会社のなかでも情報システム部門は、「パソコン設定・IT資産管理」「ヘルプデスク・サービスデスク業務」「セキュリティ対策」「IT機器の運用・管理」「社内インフラの開発・メンテナンス」などの業務を担う部署です。

「利益を生み出せる情報システムの実現」「情報システムの課題解決」の役割を担い、社内システムを活用しながら改善をします。

リソース不足が与えるデメリット

リソース不足に陥ると、個人やチーム、ひいては企業全体にも多くの問題が生じます。具体的にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

生産性・セキュリティ面の低下

デジタル技術の導入により社内業務の効率化を進めるDXには、人材や時間の確保が必要です。通常業務に追われていると、対応スピードが追いつかずDXが進みません。

DXが滞り、システムやツールが不足した状態が続けば、いつまでも非効率的な方法で業務を行うことになります。同様に、セキュリティ対策にも遅れが出てしまうため、ウイルスをはじめとするセキュリティリスクも高まるでしょう。

離職率の増加

多くの業務を兼務して行うにもかかわらず、情報システム部門の担当者が1人しか在籍していないというケースもあります。明らかなリソース不足の状態が続くと、重い業務負担や疲弊により、担当者の離職へとつながることも考えられます。

また、新しく人材を確保したくても、専門知識がある人材はすぐに見つかるとは限りません。担当者不在の状況が続くと、残された従業員に負担がかかり、不満が高まって退職の連鎖を生む危険性もあるでしょう。

業務の属人化とブラックボックス化

少人数のチームで1人ひとりが多くの業務を抱えた状態は、業務が属人化し、担当者の不在時にトラブル対応ができなくなることもあります。

また、離職者が出た場合、属人化したチームではそれぞれの業務がブラックボックス化しているため、退職者の業務を引き継げる人がいない状況に陥ることも考えられるでしょう。

リソース不足を解消する方法

リソース不足の状態は、多くの問題やデメリットがあります。リソース不足を解消する方法を知って、早めに対策を進めましょう。

リソースの把握と共有

まずは、現状の人員リソースを正確に把握しましょう。能力を適切に活用できるリソース配分が計画できるようになります。

リソースを把握するためには「現在の業務」「業務の状況」を社内共有できる環境を整えることが大切です。目標達成のために必要なタスクの優先順位を決めたら、スケジュールを作成します。

ツール導入

プロジェクト管理ツールを導入すると、プロジェクトやタスクの把握がしやすくなります。

さらに、コミュニケーションツールを用いて社内・社外のやりとりを円滑化したり、情報共有ツールやFAQツールなど課題に合わせたツールを導入したりすると、チーム内のやり取りも活発化して業務効率も向上するでしょう。

人材採用と離職の防止

さまざまな知識や経験を要するIT人材の確保が難しい現状を理解し、選り好みせず、性別や年齢、国籍を問わず、幅広い人材の雇用を検討することも、リソース不足を解決するためには大切です。

また、離職者を出さないため、多様な働き方を採用することも検討してみましょう。職場環境の改善が、人材の定着化につながります。

外注(アウトソーシング)する

IT人材の確保が難しい場合には、外注も検討するとよいでしょう。情報システム業務に長けた人材派遣を専門とする派遣会社もあり、定期業務からイレギュラー対応が必要な業務まで、必要に応じたアウトソーシングが可能です。

また、社内で行う業務とアウトソーシングする業務を適切に振り分けられるようになれば、自社の従業員は社内のコア業務に集中できるようになります。

ITインフラ業務をアウトソーシングするメリット

社内のITインフラ業務を外部に依頼すると、どのようなメリットがあるのかを解説します。

業務効率・サービスの質が向上する

業務過多の状態に陥っている組織では、本来着手すべき業務が後回しになりがちです。外部に割り振っても差し支えない業務を精査し、アウトソーシングすると、社内の人的リソースを重要なコア業務に集中させることができます。

社内の従業員が重要な業務に着手できるようになれば、個人の成長にもつながり、業務効率やサービスの質の向上が期待できます。また、業務のマニュアル化をはじめとする属人化を回避する対策にも着手しやすくなるでしょう。

セキュリティ対策

適切なセキュリティ対策を行うためには、ある程度の専門知識が必要です。社内でセキュリティのノウハウが蓄積されていない場合には、セキュリティの知識に明るい外注先へ依頼することにより、適切な対策を採用できるようになります。

社内にセキュリティの知識をもつ人材がいる場合には、ノンコア業務を外部に委託し、セキュリティ対策に注力できるようにすることで、安全なセキュリティ環境を維持しやすくなるでしょう。

まとめ

リソース不足は生産性の低下を招くだけでなく、貴重な人材の離職を加速してしまう恐れもあります。社内の体制を見直し、人材の確保にはアウトソーシングを検討しながら、対策を行いましょう。

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