SES企業の経歴詐称に注意|見抜き方や対処法について解説

SES企業を使って業務のアウトソースを考えているけれど、極稀に、参画するエンジニアの経歴詐称の可能性がある点に注意が必要です。業務の遂行のために必要なスキル・実績とは異なる体制が、経歴詐称によって提供された事例もあります。本記事ではSES企業との契約時に注意すべき経歴詐称の実情と、見抜き方や対処法について解説します。

SESにおける「経歴詐称」とは

SESとの契約時には、念のため「経歴詐称」について把握しておくことも重要です。以下では、SESにおける経歴詐称の詳細を解説します。

参画するエンジニアの経歴を偽って契約を結ぶこと

SESにおける「経歴詐称」とは、参画するエンジニアの経歴を偽って契約を結ぶことを意味します。SESは準委任契約となり、特定の業務を遂行することを目的としています。そのため自社の求めるエンジニアの要件が満たされていないと、業務の遂行に影響を与える可能性があります。

SES企業が経歴詐称をしているケースが極稀にある

SES企業が契約をとるために、エンジニアに経歴詐称を促すケースは極稀にあります。経歴を詐称してでも、案件を獲得しようとするSES企業が実際に存在することは、事前に理解しておく必要があります。もちろん、全てのSES企業が経歴詐称を促すわけではなく、ほとんどの企業が優良なサービスを提供しています。そのなかで極稀に、経歴詐称があるという形になります。

SESで起こり得る経歴詐称の事例

SESとの契約時に、経歴詐称が発生した事例はいくつかあります。以下では、SESの契約時に起こり得る経歴詐称の事例を紹介します。

未経験者を「経験者」と詐称する事例

SES企業・エンジニアともに未経験の業務領域でも、「経験者」と詐称する事例があります。未経験者の場合、実際に働いた実績がなく、業務を遂行できない体制が提供される可能性があるため、注意が必要です。

研修期間を「経験年数」として換算する事例

エンジニアの研修期間を、「経験年数」として換算した事例もあります。エンジニアは研修しか受けていないため、実際の現場で臨機応変に動けない体制が提供されることも考えられます。経験年数だけでなく、スキルや取得資格を同時に指定するなどの方法で対策が可能です。

SES企業がエンジニアの経歴を詐称する理由

SES企業で極稀にエンジニアの経歴詐称が発生することには、いくつかの理由があります。以下では、経歴詐称が起きる理由について解説します。

案件の早期確保を求めている

先に解説したように、SESでは業務の遂行を目的とする準委任契約を結びます。準委任契約は、成果物の完成責任を問わないことから、業務を完遂できなくても報酬を支払う義務があります。そのため、経歴を詐称してでも案件の早期確保を進めるケースが極稀にあります。

エンジニアの単価アップを狙っている

多くの実績とスキルを持つエンジニアほど、契約時の単価は高くなります。案件の受注金額をアップさせるために、経歴詐称をするSES企業も存在します。単価に見合わないエンジニアでは、採用にかけるコストが無駄になる恐れもあります。

経歴詐称をされるデメリットについて

経歴詐称をされると、事業に多くのデメリットがあります。以下では、経歴詐称による具体的なデメリットについて解説します。

求めるスキルを持つエンジニアが確保できない

業務に必要なスキルを持つエンジニアに参画してもらえないことが、経歴詐称の大きなデメリットです。プロジェクトがスケジュール通りに進むかどうかは、エンジニアの技量に依存します。そのため経歴詐称によって、プロジェクトのスケジュールが狂わされる可能性もあります。

コストが無駄になる

SES企業との契約にかけたコストが無駄になることも、経歴詐称によるデメリットです。業務を遂行できない場合は、追加でエンジニアを探す必要もあるため、さらにコストが発生します。予算オーバーによって人員の補充に失敗するなど、事業に大きな影響を与える可能性も懸念されます。

社内のモチベーション低下

経歴詐称によってエンジニア探しが振り出しに戻ると、社内のモチベーションが低下する恐れもあります。プロジェクトに参加しているエンジニアの負担も増えるため、事業に悪影響が出る可能性は高いでしょう。社内のモチベーションを高く維持するためにも、経歴詐称のデメリットや見抜く方法を事前に把握しておくことが重要です。

経歴詐称をしているSES企業を見抜く方法

経歴詐称をしているSES企業は、いくつかの方法で見抜くことが可能です。以下では、経歴詐称をしているSES企業を見抜く方法について解説します。

エンジニアの大量募集を繰り返している

エンジニアの大量募集を繰り返している企業は、万が一に備えて経歴詐称の可能性を疑うことも必要です。エンジニアにとって経歴詐称はリスクがあるため、強要される場合には離職することが多いです。その結果慢性的なエンジニア不足に陥り、大量募集を繰り返すことになっている可能性があります。

実績が重要な業務でも未経験者を歓迎している

実績が重要な業務でも、未経験者を歓迎しているSES企業にも注意が必要です。特に充実した教育制度などを提供していない場合、未経験者を経験者と偽るケースが考えられます。未経験者を歓迎しているのに、フォロー体制が整備されていないSES企業は、評判をよく調べてから依頼することが重要です。

採用時に保有スキルを重視しない傾向がある

SESに限らず、エンジニアは保有しているスキルや実務経験が重視される傾向があります。しかし、経歴詐称をしているSES企業はエンジニアを採用する際に、それらのチェックが疎かになっている可能性があります。

事前に営業担当などを通して「過去にどのようなプロジェクトに参画していたか」「どのような言語・環境を扱っていたか」などの確認は必須です。SES企業の営業に相談し、エンジニアのスキルシートなどを提出してもらうなど、事前に詳細を確認するのもポイントです。

SES企業の経歴詐称への対処法

経歴詐称のデメリットを回避するためには、具体的な対処法の把握が必要です。以下では、経歴詐称に対処する方法を解説します。

SES企業の口コミを確認しておく

SES企業との契約前に、口コミを確認して情報収集を進めることは対処法の1つです。経歴詐称をした過去がある場合などは、契約を控えるとよいでしょう。口コミサイトやSNSなどを通して、企業の全体的な評判をチェックすることは重要なプロセスです。

エンジニアの経歴と実際の能力にズレがないか確認する

準委任契約においては、作業者の個々の能力評価は受託者自らが行います。そのため発注者に対して、能力評価の資料などを提出するケースはありません。提供されたエンジニアの経歴と実際の能力にズレがないか確認するためには、自社のエンジニアに協力してもらい、簡単な試験を実施するなどの方法が考えられます。

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まとめ

SES企業との契約時には、極稀に経歴詐称の問題が発生する可能性があります。ほとんどの企業が誠実な対応をしてくれますが、実際に起きた事例を考慮して、万が一の経歴詐称に備える必要があるでしょう。この機会に経歴詐称によるデメリットや対処法を確認し、エンジニア確保におけるリスクの把握を進めてみてはいかがでしょうか。

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