SIerのビジネスモデルが抱える課題とは|将来性や今後の展望について解説

SIerの活用を検討しているけれど、独自のビジネスモデルの有用性が気になるケースもあるでしょう。SIerを活用する際には、そのビジネスモデルが今後も通用するのか、どのような点に注意すべきなのかを知るのが重要です。本記事ではSIerのビジネスモデルの課題や将来性、活用時のポイントなどを解説します。

SIerのビジネスモデルについて

SIerは、他のITサービスとは異なる特徴を持つビジネスモデルを展開しています。以下では、SIerのビジネスモデルの特徴やメリットについて解説します。

SIerとはITプロジェクト全般を任せられるサービス

SIerとは、「Systems Integrator」を略した言葉です。企業におけるシステムの構築業務など、ITプロジェクト全般を任せられるサービスとして広く利用されています。システム開発だけでなく、プロジェクトの設計からシステム完成後の保守や管理などを、一貫して依頼可能です。

自社でIT業務に対応できない場合や、一からITプロジェクトを進める環境を構築したい場合などに、SIerの利用が検討されます。

SIerのビジネスモデルならではのメリット

構築から保守までのプロジェクト全体を任せられるのが、SIerならではのビジネスモデルです。SIer企業と長期的な関係を構築可能なため、将来を見据えて長くシステムを運用することも考えられます。

また、社内に専門家の技術やノウハウを活かせるため、低予算で基本となる開発地盤を構築できます。一度開発の地盤をつくれれば、その後もさまざまなITプロジェクトに応用できる点がメリットです。

SIerが抱えている課題

多くのメリットと魅力を持つSIerですが、そのビジネスモデルだからこそ抱えることになる課題があります。以下では、SIerのビジネスモデルが抱える課題について解説します。

クラウドサービスによって需要が減少傾向にある

SIerの仕事は、近年のクラウドサービスの普及によって需要が減少傾向にあります。従来はSIerが担っていた業務を、クラウドサービスでまかなえるケースも増えていることが課題の1つです。クラウドサービスと明確な違いを提供できるSIer企業を選ぶことが、今後の利用における重要なポイントです。

多重請負構造のビジネスモデルが問題視されている

SIerは大手が受注した仕事を、下請けの中小SIerに丸投げする「多重請負構造」のビジネスモデルが一般化しています。結果的にエンジニア間に待遇の格差が生まれ、働き手が不足するケースも増えています。この多重請負構造のビジネスモデルをいかに変えていけるかがSIerの将来を左右するでしょう。

SIerにはグローバル性が不足している

SIerは30年の歴史を持つビジネスモデルですが、日本独自のスタイルである点が近年は課題となっています。グローバル性が足りていないため、海外に進出できない点が問題視されています。海外市場も視野に入れたITプロジェクトを実施する際には、SIerのビジネスモデルが逆に足かせとなる可能性も懸念点です。

SIerのビジネスモデルに将来性はあるのか

上記のような課題を抱えるSIerに将来性はあるのでしょうか。以下では、SIerのビジネスモデルの将来性について解説します。

DXの必要性によって一定の需要が確保できている

SIerのビジネスモデルは、企業のDXを進めるためのサービスとして、一定の需要が確保できています。デル・テクノロジーズが2021年1月に発表した、「第2回 DX動向調査」によると、62.6%がSIerを必要としている結果が出ています。DX化を完了させた企業はまだまだ少ないため、SIerのビジネスモデルは今後も必要とされるでしょう。

2025年の崖に向けたシステムの一新が進んでいる

「2025年の崖」とは、経済産業省が「DXレポート」で提示した問題です。このまま日本企業のDXが進まない場合、2025年以降の5年間で、最大年間12兆円の経済損失が生じるという可能性のことです。
巨額の経済損失は多くの企業に影響を与えると想定されるため、DXおよび古いシステムの一新を目指して、SIerに依頼するケースも増えています。

SIerの将来性が不安視される理由

上記のような需要があっても、SIerの将来性は不安視されています。SIerの将来性が不安視される背景について、以下で解説します。

スモールスタートを主軸にする企業が増加している

近年はコスト面のリスクを抑えるために、スモールスタートを主軸にする企業が増加しています。スモールスタートとSIerは相性が悪いため、今後ビジネスの需要が縮小する可能性が懸念されています。スモールスタートを目的とする企業にも対応できるビジネスモデルの確立など、具体的な対策の考案が今後求められるでしょう。

リカーリングビジネスが古い概念になりつつある

リカーリングビジネスとは、「継続して収益をもたらすビジネス」のことを意味します。SIerは従来、システムの構築後の保守運用を含めた、リカーリングビジネスで利益を確保していました。しかし、あらゆる業務がクラウド化したことによって、各企業で作業の内製化が進むケースが増えています。結果的にリカーリングビジネスが成り立たず、利益を確保できないSIer企業が増加することが不安視されています。

SIerを活用する際のポイント

SIerを活用する際には、いくつかのポイントを踏まえておくことが重要です。以下では、SIerを有効活用するためのポイントについて解説します。

SIerの特徴・メリットを正確に把握する

SIerの特徴・メリットを正確に把握したうえで、依頼することが有効活用のポイントです。SESや派遣との違いを確認し、SIerならではの特徴を自社で活かせるのか考えるプロセスが重要といえます。SIerに依頼することで得られるメリットを想定し、コストに見合ったリターンを獲得できるか試算します。

長期的な関係を結べるSIerを選ぶ

SIerの活用時には、構築後の運用・保守までを総合的に担えるサービスが理想です。そのため契約先企業の経営状況などを確認し、長期的な関係を結べるSIerを選ぶことがポイントです。経営状況が芳しくない場合、契約の途中で事業から撤退されるリスクがあります。

SIerの今後の展望に注目しておく

SIerを活用するには、今後の展望に注目しておく必要もあります。SIerの需要はまだまだ高いですが、今後どうなるかは未知数です。新しいビジネスモデルの誕生や需要の確立ができるかどうかで、SIerの将来が決まる可能性もあります。SIer業界が新サービスや需要を提示できるかチェックし、今後の動向に注目するのも活用時のポイントです。

SIerだけでなく「エンジニア派遣サービス」の活用もおすすめ

エンジニアの確保や開発環境の構築を進める際には、SIerだけでなく「エンジニア派遣サービス」の活用もおすすめです。

「アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービス」なら任意のタイミングで必要なエンジニアを派遣できる

エンジニア派遣サービスとは、その名の通りエンジニアを派遣して提供するサービスです。「アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービス」は、特にITインフラエンジニアの派遣に特化したサービスとなっています。高いスキルと実績を持つエンジニアを2,000名以上、正社員で雇用しています。さまざまなニーズと契約期間に対応できるため、必要なタイミングで必要な人材を提供できます。

まとめ

SIerのビジネスモデルは、現在大きな壁にぶつかっています。一定の需要があるため将来性はまだ考えられるもの、今後の展開や発展には注目が集まるでしょう。エンジニア確保やシステム開発の環境構築を目指す際には、SIerのビジネスモデルについて確認することが1つのポイントです。

エンジニアや開発環境の構築が目的なら、「エンジニア派遣サービス」の利用もおすすめです。「アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービス」は、派遣後もエンジニアに対して積極的な支援を実施しています。高品質のパフォーマンスを発揮できるようにフォローできるため、求めるニーズに的確に対応できます。

この機会にまずは無料相談の窓口から、エンジニア派遣の詳細についてぜひご相談ください。

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