トラブルシューティングマニュアルのエクセルでの作り方|手順や注意点などを解説
問い合わせやトラブルに迅速に対応するためには、トラブルシューティングの手順を確立しておくことが重要です。あらかじめマニュアルを整備しておけば、いざというときに必要な対応を確認しやすくなります。本記事では、トラブルシューティングのマニュアルをエクセルで作成する方法について解説します。
Contents
トラブルシューティングとは
トラブルシューティングとは、問題が発生したときにその原因を究明し、取り除くことです。トラブルの原因を推定し、1つずつ検証していくことで本当の原因を見つけ出します。もともとはIT業界で生まれた言葉であり、パソコンをはじめとするIT機器を使っているときに起きたトラブルに対して用いられることが多いでしょう。
トラブルシューティングをマニュアル化する重要性
リモートワークの普及によって対面でのコミュニケーションが減り、これまで以上に各種マニュアルの整備が求められるようになりました。トラブルシューティングのマニュアルも、その1つです。トラブルシューティングをマニュアル化しておけば、働き方が多様化しても、トラブルに迅速に対処しやすくなります。また、問題が大きくなる前に対処できれば、被害を最小限に抑えることも可能です。
トラブルシューティングをマニュアル化するメリット
トラブルシューティングをマニュアル化すると、次のようなメリットを期待できます。
- 問い合わせ件数を減らせる
- 対応品質を標準化できる
- ユーザーの満足度が高まる
それぞれのメリットについて、以下で詳しく解説します。
問い合わせ件数を減らせる
社内リソースにおいて、トラブル対応は人員が限られているケースも少なくありません。
たとえば、社内向けにトラブルシューティングをマニュアル化しておけば、別部門の社員からIT部門への問い合わせ件数を減らすことにつながります。その結果、問い合わせ対応の業務負担も軽減されるでしょう。
対応品質を標準化できる
トラブルシューティングをマニュアル化せず個人に任せてしまうと、「人によって回答が異なる」「誤った回答をしてしまう」といったリスクが高まります。
あらかじめマニュアル化しておけば、必要なナレッジを共有でき、対応品質のバラつきが起こりにくくなるでしょう。
また、経験が求められるトラブルに対しても、誰もが同じ回答を提示できるようになります。配属されたばかりで経験の浅い人でも、マニュアルを確認することで、イレギュラーな状況にも対応しやすくなるでしょう。
ユーザーの満足度が高まる
トラブルシューティングマニュアルを共有すれば、ユーザーが自力で問題を解決できる可能性が高まります。
曜日や時間帯に関係なく、トラブルに迅速に対処できるようになり、ユーザーの満足度も向上するでしょう。
トラブルシューティングのマニュアル化に適しているツール
ワードは、基本的にA4サイズで資料を作成します。そのため、印刷を前提とした、テキスト中心のマニュアル作成に向いています。
一方のエクセルは、作業のやり方を解説するマニュアルにおすすめです。複数のシートを作成できるので、トラブルの種類ごとにタブを分ければ、必要なマニュアルを探しやすいでしょう。図やグラフの種類も豊富で、大きな表や画像も見やすい点がメリットです。
トラブルシューティングは、作業の具体的な手順を解説することが多くあります。そのため、ワードとエクセルを比べた場合は、エクセルの方が適しているといえます。
トラブルシューティングマニュアルの基本的な作成方法
トラブルシューティングマニュアルを作成する際は、まず問い合わせのログを確認し、どのような問い合わせやトラブルが多いのか洗い出します。
次に、問い合わせやトラブルの内容を分類し、問題に対する解決策を決定しましょう。1つの解決策にとらわれず、ほかにも望ましい解決策がないかを吟味したうえで決定します。
そして、対応の流れをフローチャートで作成します。マニュアルを作成したら、正しく機能するかどうかロールプレイングを実施し、確認することも重要です。
エクセルでのトラブルシューティングマニュアルの作り方
前項を参考にトラブルシューティングマニュアルの内容を確定させたら、エクセルの作成にとりかかります。基本的な手順は、以下の通りです。
1.トラブルの内容ごとにシートを作成
まずは、トラブルの分類ごとにシートを作成します。
エクセルのメリットを活かし、使いたいマニュアルを見つけやすいようにしましょう。
2.目次を作成する
エクセルは、ハイパーリンクを使って目次を作成することも可能です。
最初のシートに目次を作り、セルごとに目的のシートへのハイパーリンクを設定しましょう。ハイパーリンクを設定しておけば、目的のページに移動しやすくなります。
3.トラブルシューティングの内容を入力する
次に、シートごとにトラブルシューティングの内容を入力します。
まず1行目に「どのようなトラブルの対処法なのか」を記載すると、わかりやすさがアップするのでおすすめです。作業手順を記載するときは、誰でも同じ作業ができるように、情報を過不足なく盛り込むことを意識しましょう。
4.画像やフローチャートなどを挿入する
テキストのみよりも、画像やフローチャートがあったほうが内容を視覚的に理解しやすくなります。画面のスクリーンショットや、ファイルの一部を貼り付けるのも有効です。
ただし、あまりに画像が多すぎるとかえって読みづらい場合もあるため、注意が必要です。
5.フィードバックを得る
作成者以外かつ、できるだけその業務に詳しくない人にチェックを依頼しましょう。フィードバックを受け、適宜内容を改善します。
6.更新する
トラブルシューティングマニュアルは、作成して終わりではありません。必要に応じて更新することも重要です。業務手順や参照する資料が変わったときは、最新の情報に更新しましょう。
エクセルでトラブルシューティングマニュアルを作成する際のポイント
ここからは、エクセルでトラブルシューティングマニュアルを作成する際のポイントを解説します。
表記を統一する
マニュアルのなかで表記揺れが起きていると、ユーザーが欲しい情報にたどり着きにくくなってしまいます。たとえば、「アカウント」と「ID」という言葉が混在していると、どちらか一方のKWで検索したときに情報を見つけられません。
表記ルールを統一化し、揺れやすいものに関しては「アカウント(ID)」といったように表記を併記するとよいでしょう。
デザインに統一感をもたせる
タイトルは太字で文字サイズ20、重要なポイントは赤字、といったようにデザインを統一すると読みやすいマニュアルになります。
デザインに力を入れすぎない
デザインにこだわりすぎると、マニュアル作成に時間がかかってしまいます。マニュアルは情報を正しく伝えるためのものなので、デザインは凝りすぎないことも重要です。
読む人の知識レベルを意識する
マニュアル作成者はその業務に精通している場合が多いので、一般の人とは「最低限の知識レベル」が異なることもあります。
社内向けにトラブルシューティングマニュアルを作成するのであれば、別部署の人でも理解できるように、基礎的な部分から書いた方がよいでしょう。逆に、ある程度の知識がある人を対象にしたマニュアルであれば、基礎的な部分は省いても問題ありません。
便利なテンプレートを活用する
なかには、マニュアル作成用に、エクセルの無料テンプレートを公開しているサービスもあります。便利なテンプレートを活用すれば、見やすく、統一感のあるマニュアルを作成できるでしょう。
エクセルでトラブルシューティングマニュアルを作成する際の注意点
エクセルでトラブルシューティングマニュアルを作成する場合は、次のポイントに注意することが大切です。
運用方法を意識して作成する
マニュアルの形骸化を防ぎ、有効活用していくためには、運用方法を意識してマニュアルを作成することが重要です。
使いやすさや改訂しやすさなどを意識して、マニュアルを定期的に見直すようにしましょう。ユーザーに対してアンケートを実施し、意見を集めることもおすすめします。
判断基準を明示する
ただ作業手順を記載するだけでなく、どの程度のレベルまで・どのくらいの範囲まで対応すべきか、といった判断基準を明示すると、より使い勝手のよいマニュアルになります。過去の経験をもとに、「◯◯の場合はこうする」という判断基準を明示しましょう。
トラブルシューティングをエクセルでマニュアル化する際におすすめのテンプレート
最後に、トラブルシューティングマニュアルの作成に使える、おすすめのエクセルテンプレートを紹介します。
Officeテンプレート
マイクロソフトOfficeを使用している場合におすすめです。エクセルやワード向けに多彩なテンプレートが用意されており、管理表やガントチャートなどもあります。
bizocean
bizoceanは、チェックリストや段取りシートなど、エクセルのトラブルシューティングマニュアルに使えそうなテンプレートが豊富です。検索機能も充実しているので、目当てのテンプレートを探しやすいでしょう。
まとめ
トラブルシューティングをマニュアル化するなら、エクセルがおすすめです。複数のシートを作成できるので、トラブルの内容ごとにシートを分ければ対処法を迅速に見つけられます。また、トラブルシューティングのマニュアルは、運用方法まで意識して作成することが大切です。便利なテンプレートも活用して、使い勝手のよいマニュアルを作成しましょう。
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