トラブルシューティングのマニュアル作成とは?手順や方法、注意点を解説

トラブルが起きたときに原因を取り除き解決することを「トラブルシューティング」といいます。はじめてトラブルシューティングのマニュアルを作成することになり、進める方法や手順がわからずお困りの人もいるでしょう。本記事では、トラブルシューティングマニュアルを作成するメリットや作成手順・方法を解説します。ぜひマニュアル作成の参考にしてみてください。

トラブルシューティングとは

トラブルシューティングとは、トラブルシュートともいわれ、問題が発生したら原因を探して取り除くことをいいます。もともとは、IT業界で使われていた言葉です。

現在では幅広い分野で使用されており、身近なものでは、家電やパソコンなどの説明書の巻末にあるトラブルシューティングが挙げられます。困りごとがあった場合の解決方法が記載されたページを指します。トラブルシューティングに記載される内容は、簡単な操作で解決できるトラブルから、ハードウェアの交換やプログラムの修復が必要なトラブルまでさまざまです。

基本的な考え方

トラブルシューティングは、基本的に消去法で進めていきます。頻度が高い単純な原因から可能性を消し、状況を把握しながら進めて、トラブルの原因を探っていきます。

たとえば、家電屋パソコンのトラブルであれば、「電源は入っているか」といった単純な問題から順番に原因を探っていきます。

トラブルシューティングのマニュアルとは

「トラブルシューティング」の解決法をマニュアル化しておくことで、各個人でトラブルを解決できるようになったり、一度別の人が対処したトラブルをスムーズに解決したりできるようになります。マニュアルをもとに適切な初期対応ができると、トラブル時にスピーディな復旧が行えるでしょう。

トラブルシューティングのマニュアルを作るメリット

トラブルシューティングのマニュアルを作成すると、どのようなメリットがあるのかさらに詳しく解説します。

問い合わせ業務が削減できる

マニュアルがあれば、基本的な困りごとなら個々で解決できるようになります。結果として、全体の問い合わせ数が減るでしょう。同時に、サポート業務の負担やコストも削減できます。

さらに、過去にあった質問をマニュアルに反映することで、問い合わせをせずに解決できるでしょう。ユーザーが自分で対応できるようになれば、問い合わせから解決までの待ち時間も削減可能です。

担当者が休み・多忙でも自分で解決できる

トラブル解決の知識がある担当者が不在のときや、ほかの業務で手が離せず対応できないときも、マニュアルがあればユーザー自身で解決できます。

土日や年末年始などの有人対応が難しいタイミングでも、ユーザーが自分で解決できれば、待ち時間が発生することなく即座に解決できるでしょう。

トラブル対応の品質標準化ができる

基本的なトラブルの回答をマニュアル化しておけば、一部の担当者しかトラブル対応できないといった属人化の解消にもつながります。

属人化した状態では、対応者によって知識や対応方法に差が出ることもあり得ます。しかし、マニュアルで対応できるようになれば、トラブルに対するサポート品質の均一化も実現できるでしょう。

リスクマネジメントができる

イレギュラー時の対応方法を事前にまとめておけば、トラブルが起きても慌てず適切に動けるでしょう。操作や作業に慣れていないユーザーも、マニュアルを参照して対応できます。

トラブルシューティングのマニュアル作成手順

ここからは、トラブルシューティングのマニュアル作成方法を4つの手順に分けて解説します。

1.トラブルの内容を集める

まずは問い合わせやクレーム、トラブルの事例を情報収集し、集まった情報はカテゴリー別に分類していきます。

カテゴリー分けしたものを、さらに大分類から中分類、小分類へと細分化していきます。項目分けは、専門知識を持った人だけでなく、新入社員でもわかりやすくしておくとよいでしょう。

2.トラブルの解決策をまとめる

解決策をまとめる際のポイントは、問い合わせの多い案件から着手していくことです。また、1つのトラブルに対して、解決方法が1つでない場合もあります。その場合は、考えられる複数の解決案をまとめておきましょう。

3.解決策のまとめと検証・確認をする

解決策をまとめたら、わかりやすく短い文章・シンプルな表現で文章を整えていきましょう。また、ロールプレイングをして、マニュアルに記載した内容で正しく対応できるかを検証することも重要です。実際に解決策を実施してみることで、不足情報がないかがわかるだけでなく、担当者の対応スキルの向上にもつながります。

4.フォーマットとツールの選定

マニュアルの展開方法には、文書化や動画、インタラクティブシミュレーション、オンラインなど、さまざまなフォーマットがあります。マニュアル共有に適したツールを選択するようにしましょう。マニュアル用のITツールの活用を検討するのも、方法の1つです。

トラブルシューティングのマニュアル作成ポイント

ここでは、トラブルシューティングのマニュアル作成のポイントを解説します。

状況と原因を把握する

トラブルの原因を突き止めるためには、まずトラブルが発生した環境を確認することが重要です。まずは、「いつ」「どこで」「何が」「どうなったか」を明確にしましょう。

次に、問題の事象に法則性があるかや、特定の環境下でのみ発生するかなども調べます。原因を特定できれば、問題解決の糸口をつかめるでしょう。

原因を切り分けていく

原因分析は、正常と確認された項目から検証範囲を広げていき、トラブルの原因を切り分けていきます。基盤の部分から階層を上にたどりながら確認する流れで進めていきましょう。動作確認では1つずつ結果を確認して、見逃しを防ぐようにします。

「元に戻せるように」対処法を定める

状況が把握できたら、論理的な原因分析で仮説を立てます。しかし、仮説の段階で対処した場合、現状よりも状況が悪化する可能性もゼロではありません。そのため、前提として「元に戻せるように」対処法を検討します。なお、まったく原因が特定できない場合は、根本的な解決よりも復旧を優先させる場合もあります。

2段階対策で取り組む

トラブルの解決は、「暫定措置(応急処置)」と「恒久措置(根本的解決)」の2段階で構える必要があります。暫定措置は、あくまで一時的な対処であり、根本的な解決ではありません。そのまま放置すると、再び同じトラブルが起こる可能性があります。トラブルが発生した際には、基本的には恒久措置まで実施し、同様のトラブルが再度発生しないための対策を講じます。

マニュアル作成時の注意点

トラブルシューティングのマニュアルを作成する際に注意する点を解説します。

改定を前提に作成する

マニュアルは、PDCAを回してアップグレードし続けるものです。定期的な更新を前提としたマニュアルを作成して、常に最新の情報を取り入れたものを使用できるようにしておきましょう。

更新時には、「いつ」「誰が」「何を変更したのか」といった更新履歴を記載し、ほかの人が見たときにも状況を把握できるようにしておきます。

マニュアルは作ったままにしない

情報が古いままだと、実際のトラブル時に機能しないマニュアルになってしまいます。使いにくいと感じるポイントや追加された業務などがないか、フィードバックや情報収集をして、定期的に改善・改定しなければいけません。情報収集には、定期的なアンケートを行うのもよいでしょう。

トラブルシューティングのアウトソーシング

トラブルシューティングは、社内で行うことも可能です。しかし、トラブルのサポート業務は情報システム部門が兼任していることが多く、本来の業務で手一杯なことも少なくありません。

トラブルシューティングを社内の部署ではなく、アウトソーシングで対応すると、専門性の高い問題も体系化できます。情報の整理にも対応しているため、より効果的なトラブルシューティングが実現できるでしょう。

トラブルシューティングのマニュアル作成で外注がおすすめな理由

トラブルシューティングのマニュアル作成を外注すると、さまざまなメリットが得られます。

マニュアル作成による業務負担増を減らせる

マニュアル作成を社内で対応する場合、従業員が本来の業務をこなしながらマニュアル作成を行う必要があります。そのため、従業員の業務負担が増え、マニュアルの完成にも時間がかかってしまうでしょう。

また、マニュアルができない間は、属人化した対応になり手間や人件費がかかるという問題も出てきます。人手・人材不足の企業は、外注でのマニュアル作成がおすすめです。発注コストはかかりますが、スピーディな対応に期待できます。

コストを抑えられる

マニュアル作成に慣れていない自社の従業員が作成すると、完成まで時間がかかってしまい、結果的に人件費が高くついてしまうでしょう。また、急いで作成したり、マニュアル作成に対する知識が浅い状態で作成したりすると、品質のよいものにならない可能性があります。

一方、外注した場合は、経験や知識のあるスタッフが、ノウハウを生かして短期間でマニュアルを作成してくれます。新入社員にもわかりやすい、高品質のマニュアルが作れるでしょう。

社内展開がしやすい

外注先によっては、使用用途や使用場面に応じて、パソコンやスマートフォンなど、さまざまな端末で閲覧可能なマニュアル作成を依頼できます。多言語翻訳に対応している外注先もあるため、海外にも拠点があったり、外国人雇用があったりする場合も安心です。

まとめ

トラブルシューティングのマニュアルを作成しておけば、基本的なトラブルは問い合わせをしなくても対処できるようになります。スピーディーに問題解決ができるだけでなく、問い合わせに対応する部署の手間やコストも削減できるでしょう。

トラブルシューティングのマニュアル作成や、アウトソーシングを検討の際は、アイエスエフネットにお問い合わせください。アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービスは、ITインフラサービス専門としては最大級のエンジニア派遣サービスです。派遣するエンジニアは正社員で、教育体制や内勤ITエンジニアによるバックサポートも充実しています。

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