地方エンジニアの採用に注目が集まっている理由とは?メリット・デメリットや注意点を解説
エンジニアは多くの企業で不足していて、特に都心ではいまだ必要な人数を揃えられずに困っているケースも珍しくありません。そこで地方エンジニアを採用し、仕事を任せる方法に近年注目が集まっています。本記事では地方エンジニアの採用におけるメリット・デメリットや注意点について解説します。
Contents
地方エンジニアとは
まずは地方エンジニアの基本的な意味と、特徴について解説します。
地方で生活しているエンジニアを意味する
地方エンジニアとはその名の通り、地方で生活しているエンジニアのことを指します。すでにエンジニアのスキルを持ち、即戦力として働ける能力のある人材を地方エンジニアと定義するのが一般的です。
都心から離れた場所で暮らしているため、採用対象となりにくい点が地方エンジニアの特徴です。
地方エンジニアの数は増えているのか
地方エンジニアの数は、近年増加しています。新型コロナウイルスなどの影響によって、テレワークが多くの企業に普及したことが背景にあります。
出社しなくても働けるエンジニアが増加した結果、地方に引っ越す人が増え、地方エンジニアが珍しい存在ではなくなった経緯があるのです。
地方ではエンジニアの仕事が少ないのか
地方は都心と比較して、エンジニアの仕事が少ない傾向にあります。そのため地方エンジニアは、都心の企業から遠隔で仕事を請け負っているケースが多いでしょう。
そのため地方エンジニアを対象に採用活動を実施すれば、意外な人材と出会える可能性があります。
地方エンジニアの採用が進んでいる理由
地方エンジニアの採用は、多くの企業で推進されはじめています。以下では、地方エンジニアの採用が進んでいる理由について解説します。
多くの企業にテレワーク環境が整っている
新型コロナウイルスをきっかけに、テレワーク環境を整備した企業が増えています。そのため地方にいるエンジニアとも、スムーズに仕事のやり取りができるようになりました。
特別な準備をしなくてもテレワークで仕事を任せられる環境が整っている企業の増加が、結果的に地方エンジニアの採用率の向上につながっているといえます。
即戦力となるエンジニアを求める企業が多い
エンジニアを求める企業の多くが、即戦力の人材を欲しています。地方エンジニアのなかには、都心で働いていた経験を持つ人も多いため、即戦力の発見に期待できる点が普及の理由です。
もちろんすべての地方エンジニアが即戦力として扱えるとは限りませんが、地方在住の人材に絞って採用活動を実施するケースが増えています。Re就活が20代に行った調査によると、UIターンや地方での転職を希望する人は41.7%と新型コロナウイルス流行前と比較して増加しています。
※参考:コロナ禍で増える「UIターン」希望者。その理由は?|20代の働き方研究所 produced by Re就活 | 20代の働き方研究所 produced by Re就活
副業で働く地方エンジニアも増加している
地方に移住して別の事業をはじめながら、副業として働くエンジニアも多くいます。副業でも仕事を任せたいと考える企業は多いため、比較的手の空いている地方エンジニアに注目が集まっています。
業務の一部だけ委託したい、繁忙期だけ手伝って欲しいといった場合にも、地方エンジニアの採用が検討されるでしょう。
地方エンジニアならではの特徴
地方エンジニアは都心で働くエンジニアとは、異なる考え方を持っているケースがあります。
ワークライフバランスを重視したいエンジニアが多い
地方エンジニアは、仕事趣味・家庭を両立させるワークライフバランスを意識していることが多いです。そのため、フルタイムで働くよりも、ピンポイントの時間帯だけ働きたいというニーズを持っていることを考慮する必要があります。
地方エンジニアならではのニーズを理解した上で、採用活動を進めるのが成功のポイントです。
地方エンジニアの採用におけるメリット
地方エンジニアを採用することには、以下で解説する数々のメリットがあります。
地方エンジニアは競争率が低い
地方エンジニアの採用を進めている企業は増えていますが、まだまだその数は限定的です。そのため都心のエンジニアを採用する場合と比較して、競争率が低く採用に至りやすい点がメリットです。
競争率が低いと焦って内定を出す必要がないため、優秀な人材を見極めるためにじっくりと時間を使えます。
人件費のコストダウンにつながる
地方エンジニアを採用する場合、テレワークであれば通勤費などを支払う必要がありません。家賃補助などの手当も、地方の場合は安く住むケースが多いため、人件費のコストダウンにつながる可能性があるでしょう。
派遣やパートのエンジニアであれば、地方の給与水準に合わせた金額で雇用も可能です。都心と比較して給与が安くなるため、安価で仕事を任せられます。
地方エンジニアの採用におけるデメリット
地方エンジニアの採用を検討する場合、以下のデメリットについて考えておく必要があります。
コミュニケーション面で課題が出る可能性がある
地方エンジニアは基本的にテレワークで仕事をするため、対面でのコミュニケーションが取れないケースがあります。そのため信頼関係を築きにくかったり、チームと連携しにくいなどのデメリットがあるでしょう。
コミュニケーションをスムーズに取れるように、専用ツールの活用や定期的な報告会の実施など、さまざまな工夫を取り入れるのがポイントです。
母集団が少ないため採用の自由度が低い
都心で働くエンジニアと比較して、地方エンジニアの数は少ないのが現状です。母集団が少ないため、求めるスキルを持つエンジニアに出会えない可能性も高いのがデメリットになるでしょう。
明確に必要なスキルや実績がある場合、地方エンジニアの採用は難しくなる可能性が懸念されます。
緊急時の対応が難しい
仕事上のトラブルがあったときなど、地方エンジニアを採用している場合には対応してもらうのが難しくなる点もデメリットです。急遽出社してもらうなどの対応を依頼できないため、別途リスクヘッジが必要になるでしょう。
地方エンジニアに任せる仕事の範囲を限定し、緊急性が高くなるものは自社のエンジニアに任せるように調整するのもポイントです。
地方エンジニア採用を成功させるポイント
地方エンジニアの採用を成功させるには、以下のポイントを踏まえた採用活動が重要です。
地方エンジニアをターゲットにした広告を出稿する
最初から地方エンジニアのみを対象にした広告を出稿し、応募者を集めるのが採用を成功させるコツです。自社の魅力と同時に、地方にいながら働ける点をアピールすることで、地方エンジニアが興味を持ちやすくなります。
地方エンジニアと同時に都心部でもエンジニアを募集する際には、別々の求人票と広告を作成するのがおすすめです。
ダイレクトリクルーティングなど能動的な採用活動を実施する
ダイレクトリクルーティングなど、企業側から積極的に採用を実施する方法を試すのも成功の秘訣です。地方エンジニアは都心ではなく地元の企業を中心に転職活動をしている可能性があるため、ダイレクトリクルーティングによるアプローチが効果的となります。
ピンポイントでスカウトを実施することで、地方エンジニアからの印象も良くなり、スムーズに採用まで進められる可能性が高まるでしょう。
地方エンジニアのニーズに合わせた条件を提示する
先に解説した通り、地方エンジニアにはワークライフバランスを重視したいなど独自のニーズを持つケースが多いです。地方エンジニアのニーズを満たしやすいように、フレックスタイム制などを導入して地方にいながら働きやすい環境を提示するのもポイントになります。
地方エンジニアの採用をきっかけに、労働環境を整備し直せば、自社で働いているエンジニアのモチベーションアップにつながる可能性もあります。
地方に拠点のあるエンジニア派遣会社を利用する
地方エンジニアを採用する際には、地方に拠点のあるエンジニア派遣会社を利用するのも成功のポイントです。地方に拠点のあるエンジニア派遣会社には、地方エンジニアを採用するためのノウハウがあります。
首都圏への派遣についてエンジニアと交渉してもらえるため、時間と手間をかけずに地方エンジニアの採用に着手可能です。正社員としてエンジニアを採用することが全てではないため、雇用形態にとらわれずに目的に応じて採用を進めることも重要です。そのためにはエンジニア派遣サービスなどを利用して、安定した人材確保を進めておきましょう。
地方エンジニアを採用する際の注意点
地方エンジニアを採用する際には、いくつか注意しておくべき点もあります。
仕事におけるルールを設定しておく
地方エンジニアとの仕事は、テレワークが基本になるでしょう。「〇時に定時連絡を入れる」「1日の成果を報告する」など、事前にテレワーク時のルールを設定しておくことで、スムーズに業務連携ができます。
スキルアップの機会を提供する
地方では、エンジニアのスキルアップにつながる勉強会やセミナーが開催されない傾向にあります。そのためスキルアップを目指す地方エンジニアに対しては、積極的にオンラインセミナーなどの機会を提供してサポートする必要があるでしょう。
まとめ
都心にはいない地方エンジニアの存在感は、近年の人手不足の影響を受けてますます高まっています。エンジニア不足を解消するのなら、地方エンジニアを対象とした採用活動を本格化させることも1つの手段になるでしょう。
一方で、地方エンジニアを採用するだけでは、人手不足の解消につながらない可能性も懸念されます。そこで派遣エンジニアを活用し、即戦力で働ける人材を確保するのがおすすめです。
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